転職活動の時間がない人へ|働きながら時間を作る方法

転職活動の時間がない人へ|働きながら時間を作る方法

「転職したほうがいいのはわかっている。でも今は時間がない」——そう感じて、転職活動を先延ばしにしている人は少なくありません。

ただ、多くの場合「時間がない」の正体をよく見てみると、1日のうちにまったく自由な時間がないわけではなく、「まとまった時間が取れない」ことを指しているケースがほとんどです。仕事や家事に追われる毎日のなかで、履歴書や職務経歴書をじっくり書く時間、面接の日程を確保する時間が見つけにくい、という状態です。

特に入社してから日が浅いうちは、目の前の仕事を覚えることで精一杯で、「転職活動に使える時間」という発想自体が浮かびにくいものです。加えて、在職中の転職活動は基本的に平日の勤務時間外や休日に進めることになるため、これまでのプライベートの時間の使い方に、新しい配分の課題が一つ加わることになります。

「まとまった時間が取れない」という感覚は、忙しさの度合いだけでなく、日々のスケジュールのなかに「転職活動のための枠」があらかじめ用意されていないことからも生まれます。逆に言えば、工程ごとにどれくらいの時間が必要かを把握し、それを自分の生活のどこに当てはめるかを決めておくだけで、「時間がない」という漠然とした不安はかなり和らぎます。

この記事では、転職活動全体の進め方ではなく、「時間をどう捻出するか」という一点に絞って整理します。転職活動の具体的な手順やステップについては、在職中の転職活動を進める全ステップで詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

転職活動に実際どれくらい時間がかかるのか

まず整理しておきたいのは、転職活動には「一度きりで済む作業」と「何度も繰り返す作業」があるという点です。この違いを意識するだけで、時間の使い方の見通しが立てやすくなります。

「転職活動にはトータルでかなりの時間がかかる」と漠然と捉えてしまうと、それだけで気持ちが重くなり、着手すること自体が億劫になりがちです。ですが実際には、活動期間の前半に負荷が集中しやすく、後半は繰り返し作業を淡々とこなしていく形になることが多いです。この波を知っておくだけでも、見通しの立て方が変わってきます。

一度きりで済む作業として、自己分析や職務経歴書・履歴書などの書類作成が挙げられます。特に書類作成は、一度きちんとしたものを作っておけば、その後は応募先に合わせて内容を微調整するだけで使い回せます。最初にまとまった時間を確保して仕上げてしまえば、あとの負担は大きく減ります。タスクとして捉え、最初にやるべきことを洗い出しておくと、後の見通しが立てやすくなります。第二新卒として転職理由を整理する際は、第二新卒の転職理由の伝え方も参考にしてみてください。

一方で、求人を見る・情報収集をする、応募する、面接を受ける、内定後の条件調整をするといった作業は、活動が進むにつれて繰り返し発生します。これらは1回あたりの負担は大きくなくても、積み重なると時間を圧迫しやすい部分です。

転職活動は短距離走ではなく、数週間から数か月続く中距離走に近いものです。最初の数週間で自己分析と書類作成をまとめて片付けてしまえば、その後は「求人を定期的にチェックする」「気になる求人に応募する」「面接の日程を調整する」という繰り返し作業を、日常のリズムに組み込んでいくだけで済みます。最初の負荷をどう乗り越えるかが、その後の続けやすさを大きく左右します。

工程ごとの目安をざっくり整理すると、次のようなイメージです。

  • 自己分析:一度きり。まとまった時間を数回に分けて取り組むことが多い
  • 書類作成:一度きり(その後は微調整)。集中できるまとまった時間が必要
  • 求人を見る・情報収集:繰り返し。細切れの時間でも進められる
  • 応募:繰り返し。作業自体は短時間で済むことが多い
  • 面接:繰り返し。準備と当日でまとまった時間が必要
  • 内定後の調整:一度きり。条件確認や退職の準備などが発生する

内定後の条件調整や退職の準備も、一度きりで終わる作業です。退職の意思をどう伝えるかで戸惑う人は多いですが、進め方や伝え方のコツは退職の伝え方完全ガイドにまとめているので、内定が出た段階で目を通しておくと安心です。

また、応募や求人チェックのような繰り返し作業も、1回ごとの時間は短くても、活動期間中に何度も発生するため、トータルで見ると意外とまとまった時間になります。1回1回は短時間でも、「週に数回、これくらいの時間を使う」というペースを自分の中で決めておくと、無理なく続けやすくなります。

人によって進め方やペースは異なるため、一概に合計時間を示すことはできませんが、こうして工程を分けてみると、すべてに毎回まとまった時間が必要なわけではないことがわかります。

まとまった時間を作る5つの方法

「まとまった時間」といっても、何時間も一気に確保する必要はありません。日常のなかにある時間を、意識的に転職活動用として区切ることがポイントです。どれか一つの方法にこだわる必要はなく、自分の生活リズムに合いそうなものを複数組み合わせて、無理のない範囲で試してみることをおすすめします。

  • 平日朝の30分:始業前の時間は他の予定に邪魔されにくく、頭も比較的すっきりしている。前日の夜より当日の朝のほうが集中しやすいという人も多い
  • 通勤時間:求人を見る・情報収集する時間として活用しやすい。通勤時間の使い方を見直すきっかけにもなる
  • 昼休み:短い時間でも、求人のチェックや連絡の返信など細かい作業を進められる。ただし休憩そのものも大切な時間なので、詰め込みすぎない工夫も必要
  • 週末に2時間だけブロック:書類作成や面接準備など、集中力が必要な作業はここに寄せる。長時間拘束するのではなく「2時間だけ」と区切ることで着手のハードルを下げられる
  • 有給の使い方を工夫する:平日の日中でないと対応できない用件(面接など)に、計画的に充てる。半日単位で使える制度があれば、まとめて休むより調整しやすい

大切なのは、すべての作業を同じ時間帯に詰め込もうとしないことです。優先順位をつけて、「この時間には何をやるか」をあらかじめ決めておくと、限られた時間でも進めやすくなります。5つすべてを実践する必要はなく、自分の1日のリズムのなかで無理なく続けられそうなものから取り入れてみてください。

また、こうした時間の使い方は一度決めたら固定するものではありません。仕事の繁忙期や生活の状況によって、使える時間帯は変わっていきます。定期的に振り返り、うまくいっていない部分があれば別の時間帯に切り替えるなど、柔軟に調整していくことも意識しておくとよいでしょう。

スキマ時間でできること・できないこと

時間がないなかで転職活動を進めるコツは、作業を「スキマ時間でできること」と「まとまった時間が必要なこと」に分けて考えることです。

求人を見る・情報収集は、通勤中や昼休みなどのスキマ時間でも十分に進められます。1回あたり数分程度の作業でも、日をまたいで積み重ねていけば、気になる求人の傾向や業界の雰囲気が少しずつ見えてきます。気になる求人をメモしておいたり、業界や職種の情報を少しずつ集めたりするのは、細切れの時間でもできる作業です。ちょっとしたライフハックとして、スマートフォンのメモ機能などを使って気づいたことをすぐ記録しておくと、あとでまとめて見返すときに役立ちます。たとえば通勤電車のなかで求人をいくつかチェックし、気になったものだけ後でまとめて確認する、という進め方であれば、まとまった時間を取らなくても情報収集の手を止めずに続けられます。

一方で、書類作成と面接準備は、まとまった時間が必要な作業です。職務経歴書は、断片的な時間で少しずつ書き足すよりも、ある程度集中して一気に仕上げたほうが内容にまとまりが出やすくなります。書きかけの状態で数日空けてしまうと、前後のつながりを思い出すところからやり直しになり、かえって時間がかかることもあります。面接準備も同様に、想定される質問への回答を考えたり、話す内容を整理したりするには、腰を据えて取り組む時間が必要です。

すべてをスキマ時間で済ませようとすると、かえって中途半端になり、結果的に時間がかかってしまうこともあります。逆に、情報収集のような細切れでできる作業のためにわざわざまとまった時間を確保しようとすると、貴重なまとまった時間が余計に足りなくなってしまいます。「この作業はスキマ時間で」「これはまとまった時間で」と切り分けておくことが、時間を有効に使うコツです。

面接の時間をどう確保するか

転職活動のなかで、もっとも時間の確保に悩みやすいのが面接です。基本的に平日の日中に設定されることが多く、在職中だとスケジュールの調整が必要になります。

まず確認したいのは、応募先が業務時間外や土日の面接に対応してもらえるかどうかです。企業によって対応の幅は異なりますが、聞いてみないとわからない部分でもあるので、日程調整の際に相談してみる価値はあります。

複数の企業に応募している場合、それぞれの面接の日程が重なったり、立て続けに調整の連絡が来たりすることもあります。一つひとつの日程をその都度考えるのではなく、自分が動きやすい曜日や時間帯をあらかじめ決めておき、日程調整の際にはその範囲で候補を伝えるようにすると、やり取りの負担を減らせます。

やむを得ず平日の日中に面接を受ける場合は、有給や半休を使うのが基本的な選択肢になります。有給休暇は本来、取得理由を会社に伝える義務はない権利ですが、実際の運用は会社の就業規則や職場の慣習によって異なります。申請の方法や、理由をどこまで伝えるかは、勤務先のルールを確認したうえで判断してください。頻繁に有給を使うと周囲から不審に思われないか、と気になる人もいるかもしれませんが、有給取得の頻度だけで判断されるとは限りませんし、そもそも取得理由を詮索されること自体、本来は想定されていない権利です。

半休や時間単位の休暇制度がある会社であれば、面接1件のためだけに1日分の有給を使わずに済むこともあります。制度の有無や使い方は会社によって異なるため、就業規則を確認したり、必要であれば人事に問い合わせたりして、自分の会社でどこまで柔軟に対応できるのかを把握しておくとよいでしょう。

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。「体調不良」など事実と異なる理由を伝えて休みを取ることは、おすすめしません。バレる・バレないという話ではなく、会社を欺くことになるからです。有給休暇や欠勤の伝え方に迷う場合は、正直に対応できる範囲で調整するか、後述する社外の相談窓口も選択肢に入れてみてください。

また、面接の日程が急に変更になったり、こちらから調整をお願いしたりする場面もあります。リスケを申し出るときのマナーを知っておくと、印象を損なわずに調整できます。近年はリモート面接に対応する企業も増えており、移動時間がかからない分、昼休みの延長や始業前・終業後の時間帯で対応できることもあります。面接の設定を相談する段階で、リモートでの実施が可能かどうかも確認してみるとよいでしょう。ただし、リモートであっても社内で受けるのは避け、周囲の目や音が気にならない場所を事前に確保しておく必要はあります。面接そのものの準備については、面接対策の完全ガイドで詳しく解説しています。

それでも時間が作れないときに考えること

ここまで紹介した工夫を試しても、「そもそも時間を作る余地がない」と感じる場合もあると思います。その場合は、時間の使い方ではなく、長時間労働そのものが問題になっている可能性を考える必要があります。

たとえば、遅い時間まで残業する日が続いている、休日出勤が当たり前になっている、休憩がまともに取れていない、といった状態が続いているなら、それは転職活動の時間の工夫だけで解決できる範囲を超えている可能性があります。

日々の労働時間が明らかに過大で、転職活動どころか生活そのものに支障が出ているような状態であれば、まず就業規則を確認したうえで、社内の相談窓口に相談する、あるいは都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど社外の窓口に相談するという選択肢があります。労働時間の扱いは会社ごと、契約ごとに事情が異なるため、一人で抱え込まずに、公的な窓口も含めて相談してみることをおすすめします。

「これくらいで相談していいのか」と迷う人もいるかもしれませんが、相談窓口は判断を下す場所というより、状況を整理する手助けをしてくれる場所でもあります。自分の状態を客観的に把握するきっかけとして、気軽に利用を検討してみるとよいでしょう。

長時間労働が常態化している環境そのものを見直したい場合は、定時で帰るための実践ガイドも参考になります。また、「時間がない」以前に、そもそも今の会社で働き続けることに疲れを感じている場合は、「会社に行きたくない」の原因別対処法もあわせて読んでみてください。

なお、入社してまだ日が浅く、今のタイミングで転職を考えるべきか迷っている人は、入社1年目で転職はありかという視点から一度整理してみるのもよいかもしれません。

まとめ

転職活動の「時間がない」は、多くの場合、絶対的な時間の不足ではなく、まとまった時間が取れないことが原因です。工程を一度きりの作業と繰り返す作業に分けて考え、書類作成のように最初に作れば使い回せるものは早めに仕上げておくと、後の負担が軽くなります。逆に言えば、最初の段階さえ乗り越えてしまえば、そこから先は日常のなかにある短い時間の積み重ねで進めていける部分が多いということでもあります。

平日朝や通勤時間、昼休みなどのスキマ時間は情報収集に、週末や有給を使ったまとまった時間は書類作成や面接準備にと、作業の性質に合わせて時間を使い分けてみてください。面接の日程調整に迷ったときは、業務時間外や土日の対応、リモート面接の可能性なども含めて、応募先に相談してみる価値があります。有給や半休の使い方は、就業規則や職場の慣習を確認したうえで、無理のない範囲で計画的に活用しましょう。

もし長時間労働そのものが時間を作れない根本的な原因になっている場合は、就業規則を確認したうえで、社内の窓口や都道府県労働局の総合労働相談コーナーといった社外の窓口に相談することも検討してみてください。時間の作り方に正解は一つではなく、生活のリズムや職場の状況によって、無理なく続けられるやり方は人それぞれ異なります。まずは自分にとって現実的な一歩から、少しずつ試してみてください。転職活動全体の進め方については、在職中の転職活動の全ステップで詳しく解説しています。

「時間がないからやらない」ではなく、「時間の使い方を工夫すればできることは何か」という視点で、少しずつ動き出してみてください。

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