悩める会社員
どらすた
この記事では、質問の組み立て方そのものではなく、教える体制が薄い職場で新人が自分で動ける範囲をどう広げるか、そしてどこまでが自分で対応できる範囲で、どこからは相談すべきラインかを扱います。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の職場の状況に置き換えて読んでください。
目次
「教えてもらえない」が起きる職場側の事情
新人への対応が薄いとき、教育担当個人の意欲だけが原因とは限りません。次のような事情が重なっていることがあります。
- 教育担当が自分の本来業務と兼務で、指導にあてる時間を確保できていない。
- 教える手順やマニュアルがそもそも存在せず、担当者も口頭とその場対応でしのいでいる。
- 人手不足で、誰か一人が新人につきっきりになる余裕がない。
- 教える側自身が、体系立てて教わった経験がなく、「見て覚える」やり方しか知らない。
こうした事情は、放置されている側の負担を軽くするものではありません。ただ、相手の意地悪や自分への評価が理由とは限らないと分かると、次にどう動くかを考えやすくなります。「教える仕組みがない」という組織側の課題と、「教わる側の努力が足りない」という話は別のものです。両方を一緒くたにして自分を責める必要はありません。
放置なのか、自主性を試されているのかの見分け方
「自分で考えて動け」と言われる状況には、大きく分けて二つのパターンがあります。一つは、聞く相手や参考にできる資料がある程度用意されていて、まず自分で試すことを求められている場合。もう一つは、聞く相手も資料もなく、質問しても答えが返らない、あるいは質問先自体が分からない場合です。
- 質問できる相手が、少なくとも一人はいるか
- 過去の資料やマニュアル、前任者が残したものに、多少なりとも触れられるか
- 聞いたときに、短くてもいったんは答えが返ってくるか
- 「分からない」と伝えたときに、次に何をすればいいかのヒントがもらえるか
これらがどれも当てはまらない状態が続く場合は、自主性を試されているというより、教える体制そのものが整っていない可能性が高くなります。一方で、多少なりとも当てはまる部分があるなら、次の章で扱う「自分で動ける範囲」を広げることが、状況を変えるきっかけになりやすくなります。
悩める会社員
どらすた
自分で動ける範囲を広げる
指示を待つ時間が長いと感じるときでも、指示がなければ何もできないわけではありません。教育担当の手が空くのを待つ前に、自分だけで進められることがいくつかあります。ここで言う「自分で動く」とは、教わっていない仕事を一人で完成させることではなく、次に聞くときの材料を増やし、相手の負担を減らす準備をしておくことです。何もかもを自力で解決しようとする必要はありません。
過去の資料・マニュアル・前任者の成果物を読む
社内のフォルダや共有ドライブに、過去の資料や前任者が作った成果物が残っていることがあります。手順書がなくても、実際に使われた資料の形式や書き方を見るだけで、仕事の輪郭がつかめる場合があります。誰かに聞く前に、まず自分で探せる範囲を探しておくと、質問したときも「ここまでは見ました」と伝えやすくなります。
社内システムやツールに触れてみる
使い方の説明を受けていないシステムでも、閲覧するだけなら壊れる心配がない部分は多くあります。まずは自分のアカウントで開ける画面を一通り見て、どんな項目があるか、どこで何が入力・登録されているかを確認しておきましょう。実際に操作が必要な場面になったとき、「どこにあるか」から探し始めずに済みます。データの変更や送信を伴う操作は、事前に「触ってみてもよいか」を確認してから進めると安心です。
周囲の人の仕事をよく見てメモに残す
指示を待っている時間があるなら、同じ部署の人がどんな順番で作業しているか、何を優先しているかを見て、気づいたことをメモに残しておきます。あとで質問するときの材料になりますし、自分なりに仕事の流れを理解する助けにもなります。
小さな作業を申し出る、今の時間ですべきことを確認する
「何をすればいいか分からない」と伝えるだけでは、相手も答えにくいことがあります。できる範囲を狭めて具体的に申し出ると、相手が判断しやすくなります。
「今、手が空いています。何か簡単な作業でもお手伝いできることはありますか」
「〇〇の資料を拝見しました。同じような形式のものがあれば、練習として作ってみてもよいでしょうか」
「この1時間、何を優先して進めればよいか教えていただけますか。難しければ、後で確認する形でも大丈夫です」
例文はそのまま使わず、自分の職場の言葉遣いや相手との関係に合わせて調整してください。相手がすぐに答えられない場合は、「後で確認する形でも大丈夫です」と選択肢を添えておくと、相手の負担が減り、返事をもらいやすくなります。質問の組み立て方をさらに知りたい場合は、質問の仕方に関する記事もあわせて参考にしてください。
悩める会社員
どらすた
教育担当以外に頼れる人を見つける
教育担当が忙しいときこそ、頼れる相手を一人に絞らないことが助けになります。次のような人たちは、教育の役割ではなくても、業務のちょっとした疑問に答えてくれることがあります。
- 隣の部署やチームで、似た業務に関わっている人。
- 同じ時期に入社した同期。教わっていない者同士でも、分かっている範囲を教え合えることがあります。
- 総務や事務の担当者。社内システムの使い方や申請の流れなど、実務的な部分に詳しいことが多い相手です。
- 以前その業務を担当していた人。異動していても、聞けば答えてもらえる場合があります。
いきなり深い質問をするのではなく、「〇〇について聞ける方はいらっしゃいますか」と、まず聞き先を尋ねるところから始めても構いません。声をかけた相手が答えられなくても、「〇〇さんなら分かるかもしれません」と、次の相手を教えてもらえることもあります。一人に聞いて終わりにせず、少しずつ聞ける相手を増やしていく意識を持っておくと、教育担当が不在のときにも動きやすくなります。孤立感そのものがつらいと感じる場合は、職場での孤立に関する記事も参考にしてください。
日報・週次で「やったこと」を見える化する
指示がないまま日々が過ぎていると、自分でも何をしたのか振り返りにくくなります。日報や週次の報告が制度としてなくても、短い記録を自分から共有してみると、状況が変わるきっかけになることがあります。「やったこと」「分からなかったこと」「次にやりたいこと」の3点を短くまとめるだけで十分です。
本日行ったこと:〇〇の資料を確認し、過去の形式を参考に〇〇を作成しました。
分からなかったこと:〇〇の判断基準が分からず、仮の形で進めています。
次にやりたいこと:〇〇について、お手すきのときに確認させていただきたいです。
この記録は、相手に催促するためのものではなく、自分が何を進め、どこで止まっているかを見える形にするためのものです。読んだ相手が気づいて声をかけてくれることもありますし、後で自分の動きを振り返る材料にもなります。加えて、こうした記録を積み重ねておくと、もし状況が改善せず誰かに相談する必要が出てきたときにも、「いつ、何を試したか」を自分の言葉で説明しやすくなります。記録は今の状況をよくするためだけでなく、この先の自分を助けるものでもあります。メモの残し方全般については、メモの取り方に関する記事も参考にしてください。
悩める会社員
どらすた
ここまでは自分の工夫の範囲。相談すべき限界のライン
自分で動ける範囲を広げる工夫は、状況を変える助けになりますが、すべてを自分の努力でカバーできるとは限りません。次のような状態が続く場合は、自分の動き方を工夫する段階ではなく、相談する段階です。
- 業務に必要な情報や資料を、意図的に渡してもらえない状態が続いている。
- 質問や相談に対して、人格を否定するような言葉が繰り返される。
- 長期間にわたって孤立した状態が改善されず、誰にも相談できる相手がいない。
- これらの状況によって、体調や気持ちに明らかな負担が出ている。
このブログでは、こうした状況がパワーハラスメントにあたるかどうかの法的な判断はできません。ただ、上のような状態が続いているなら、まずは社内の人事担当や相談窓口があれば、そこに状況を伝えてみてください。社内に相談しにくい、あるいは相談しても改善が見られない場合は、外部の窓口として厚生労働省の総合労働相談コーナーがあります。無料で相談でき、会社を通さずに利用できます。
新人のうちに起きる仕事のつまずき全般については、新入社員の仕事の悩みに関する記事で幅広く扱っています。上司との関係そのものに悩んでいる場合は、上司との付き合い方に関する記事も参考にしてください。
状況に応じて、次に読む記事
今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。
- 質問の仕方そのものに悩んでいる:質問の仕方に関する記事
- 新人としてのつまずき全般に悩んでいる:新入社員の仕事の悩みに関する記事
- 上司との関係そのものがつらい:上司との付き合い方に関する記事
- 職場での孤立感がつらい:職場での孤立に関する記事
- メモの取り方を見直したい:メモの取り方に関する記事
- 1年目から転職を考え始めている:1年目の転職に関する記事
どらすた
今の状況を整理したい方へ
あなたは今、転職すべき?キャリア診断
8つの質問に答えると、いまのあなたが「土台づくり期」「助走期」「跳躍準備期」「環境見直し期」のどれに近いかがわかります。結果に応じて、次に読むとよい記事もご案内します。登録は不要です。
診断をはじめる(無料・8問)
どらすたブログ 
