退職を切り出すのが怖い人へ|言い出せないときの伝え方と順番

退職を切り出すのが怖い人へ 言い出せないときの伝え方と順番

辞めると決めたのに、上司に言い出せないまま、何週間も過ぎていませんか。この記事は、退職の手続き全般ではなく、「言い出せない気持ちの中身」と「切り出す瞬間」に絞って整理します。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の職場に置き換えて読んでください。

  • 退職すると決めたのに、上司の顔を見ると言葉が出てこない。
  • 怒られそう、引き留められそう、裏切り者と思われそうで、毎朝「今日も言えなかった」と終わる。
  • 言うタイミングを探しているうちに、先延ばしが癖になっている。
  • 夜になると、切り出す場面を何度も頭の中で再生してしまう。

言い出せないのは、気が弱いからでも、覚悟が足りないからでもありません。多くの場合、怖さの中身がぼんやりしたまま、まとめて「怖い」になっているだけです。中身を分けて、先に決めておくことを決め、順番どおりに動けば、切り出すハードルは下がります。

言い出せない怖さの中身を分けてみる

「怖い」を一つの塊のままにしておくと、いつまでも動けません。まず、何が怖いのかを分けてみましょう。大きく分けると、次の4つがあります。

怒られるのが怖い

「この忙しいときに何を言っているんだ」と不機嫌になられる場面を想像している状態です。実際に怒鳴られるかどうかは分かりませんが、想像の中の上司はたいてい実物より厳しい顔をしています。怒られる怖さは、「何を言われても受け止める台本」を用意しておくと小さくなります。

引き留められるのが怖い

強く引き留められて、断れずに流されるのを心配している状態です。これは気持ちの問題というより、返事の準備不足であることが多いです。引き留められたときの返事を先に決めておけば、その場で考える負担がなくなります。

人間関係が壊れるのが怖い

お世話になった先輩、同じチームの人たちから、どう見られるかが気になる状態です。「裏切り者」と思われる想像は、責任感が強い人ほど大きくなります。ただ、辞めることと、これまでの感謝を伝えることは両立します。切り出し方と言葉選びで、印象は大きく変わります。

自分への罪悪感がある

「自分が抜けたら周りが大変になる」「逃げるようで情けない」と、自分を責めている状態です。これは外から見えない分、いちばん動けなくなる原因です。人員を整えるのは会社の役目で、あなた個人が背負うものではありません。辞めることを考えた自分を責める必要はありません。

悩める会社員

全部当てはまる気がします。特に、引き留められて断れなかったらどうしようと考えると、前に進めません。

どらすた

全部当てはまるのは自然なことです。だからこそ、一つずつ対策を持っておきましょう。引き留めへの返事は、切り出す前に決められます。そのための準備を、次の章でまとめます。

なお、そもそも辞めるかどうかで迷っている場合は、先に辞めたい気持ちを整理する記事や、1年目の転職を考えている人向けの記事を読んでください。この記事は、辞めると決めたあとの話です。

切り出す前に決めておく3つのこと

切り出す前に、頭の中で3つだけ決めておくと、当日の怖さがかなり減ります。決めておけば、その場で考えずに「用意したことを言う」だけになるからです。

希望する退職日

まず、いつ辞めたいのかを自分の中で仮に決めます。退職の申し出の時期は、一般的には就業規則に定めがあります。会社によって違うので、先に就業規則で確認しておきましょう。法律上の扱いが気になるときは、断定せず、公的な窓口に相談するのが安全です。

希望日が決まっていると、「いつ頃を考えているの」と聞かれたときに答えられます。逆に、日付がないまま切り出すと、上司のペースで話が進みやすくなります。

理由の一文

退職理由は、長く説明する必要はありません。一文で言えるようにしておけば十分です。長く話すほど、突っ込みどころが増えて、話がこじれやすくなります。

不満がきっかけだったとしても、「次にどうしたいか」という前向きな形に直して伝えると、改善案を出されて話が長引くのを防げます。たとえば「別の分野で経験を積みたい」「働き方を見直したい」といった形です。事実と違うことを言うと、あとで辻褄が合わなくなるので避けましょう。

引き留められたときの返事

引き留めには、いくつかの型があります。条件を示される(昇給や異動など)、情に訴えられる(「今抜けられると困る」)、時期を延ばすよう頼まれる、といったものです。どの型でも、返事の軸は同じです。「考えた末の決断で、気持ちは変わりません」と、感謝と一緒に伝えるだけで構いません。具体的な返し方は、後の例文にまとめます。

切り出し方の順番。誰に・いつ・どこで・最初の一言

誰に。まず直属の上司に

最初に話す相手は、直属の上司です。先に同僚や先輩に話すと、噂が先に広がって、上司が上の人から先に聞く形になりかねません。そうなると、上司との関係がぎくしゃくします。

僕自身、親しい先輩に一言打ち明けたつもりが、話があっという間に広まった経験があります。直属の上司に話すまでは、誰にも言わないのが無難です。相談したい気持ちは分かりますが、社内の人ではなく、社外の友人や家族にしておくと安心です。

いつ。落ち着いて話せる時間帯に

おすすめは、上司が落ち着いている時間帯です。朝の出社直後や、会議の直前は避けましょう。繁忙期のピークも、できれば外したほうが、上司も冷静に聞いてくれます。ただし、「いつか良いタイミングが来る」と待ち続けると、先延ばしが続きます。日付を決めて、その日に切り出すほうが、結果的に楽になります。

どこで。人に聞かれない場所で

周りに聞かれない場所を選びます。僕は小さい会議室を確保して話しました。席で突然切り出すのではなく、まず時間をもらい、場所を変えてから本題に入ると、落ち着いて話せます。

最初の一言。結論は先に、短く

最初に「少しお時間をいただけますか」と時間をもらい、座ってから、結論を先に伝えます。経緯の説明から入ると、話が長くなって言い出しにくくなります。

最初の一言と理由の伝え方の例

時間をもらうとき:
「〇〇さん、大切なご相談があります。今日、30分ほどお時間をいただけないでしょうか」

本題に入るとき:
「退職を考えております。〇月末を目安に、退職させていただきたいと思っています」

理由を聞かれたとき:
「別の分野で経験を積みたいと考えて、決断しました」

感謝を添えるとき:
「これまでたくさん教えていただいたのに、申し訳ありません。引き継ぎは責任を持って進めます」

例文はそのまま使わず、自分の言葉と職場の雰囲気に合わせて直してください。大切なのは、結論、希望時期、理由の一文、引き継ぎへの姿勢の順で、短く話すことです。

その場で上司が黙ったり、機嫌が悪くなったりしても、返事をその場でもらおうとしなくて大丈夫です。上司にも受け止める時間が必要です。「また改めてご相談させてください」と、いったん区切って席を立つのも一つの方法です。上司の機嫌をその場で直すのは、あなたの仕事ではありません。

引き留められたときの返し方

引き留めへの返事は、型を持っておくと慌てずに済みます。条件を示されたときは、条件が理由ではないことを伝えます。情に訴えられたときは、感謝は伝えつつ、決断は変えないと返します。

引き留められたときの返し方の例

条件(昇給・異動)を示されたとき:
「ありがとうございます。ただ、待遇だけが理由ではなく、考えた末の決断ですので、気持ちは変わりません」

情に訴えられたとき:
「そう言っていただけて、本当にありがたいです。ご迷惑をおかけするのは申し訳ないのですが、決めたことですので、引き継ぎをしっかり行います」

退職時期を延ばすよう頼まれたとき:
「次の予定もありますので、〇月末でお願いしたいです。その中でできる限りの引き継ぎをします」

その場で答えにくいとき:
「本日は一度持ち帰らせてください。改めてお返事します」

心が揺れたときは、最初に辞めようと思った理由に立ち返ってください。条件が変わっても、根っこの理由が変わらないなら、決断は変わらないはずです。引き留められて迷う場合は、感情だけで結論を変えず、一晩置いて考えるのも手です。

言ってはいけないこと

切り出すときに、避けたほうがよい言い方があります。「禁止」ではなく、話がこじれやすいパターンです。

  • 職場や人への不満をそのままぶつける言い方。改善案を出されて、話が長引きます。
  • 事実と違う理由や、決まっていない転職先の話。あとで辻褄が合わなくなります。
  • 「辞めようか迷っています」という曖昧な言い方。相談として受け取られ、引き留めの余地を残します。
  • 先に同僚へ話してしまうこと。上司より先に噂が回ると、関係がこじれます。
  • メッセージだけで一方的に伝えて、話し合いを避けること。後味が悪くなりやすいです。
  • 感情的になって、「もう限界です」と勢いで言い切ること。落ち着いて話せないと、あとで後悔が残ります。

上司が高圧的で、身構えてしまう場合は、上司との付き合い方の記事も参考になります。

切り出した後の流れは要点だけ

切り出したあとの手続きは、会社によって違います。ここでは要点だけ触れます。

  • 退職日は、上司と話し合って決まることが多いです。就業規則の定めを確認しておくと安心です。
  • 退職願や退職届は、会社の指定の様式があるかを確認します。書式に厳密な決まりがない場合もあります。迷ったら人事や総務に聞いてください。
  • 引き継ぎは、担当業務を一覧にして、後任者が読んで動ける資料を作るのが基本です。
  • 有給休暇の残りや、退職後の手続き(健康保険や離職票など)は、人事や総務、公的窓口で確認しましょう。

法律に関わる部分は、このブログでは断定できません。不明な点は就業規則を確認し、必要に応じて公的な窓口に相談してください。

次の職場のことが決まっていない場合は、在職中の転職活動の進め方や、転職活動の時間を作る方法も読んでみてください。入社して間もない試用期間中の場合は、試用期間中に辞めたいときの記事を先に確認すると整理しやすくなります。

悩める会社員

準備はできそうですが、それでも、どうしても口が動かないときはどうしたらいいですか。

どらすた

対面で言えないときのための道も、ちゃんとあります。次の章で、順番に整理します。

どうしても言えないときの選択肢

メールで面談を申し込む

口頭でいきなり切り出すのがつらいなら、まずメールやチャットで面談を申し込む方法があります。退職の内容までは書かずに、「ご相談したいことがあり、お時間をいただけないでしょうか」と送る形でも構いません。日時が決まれば、その日が切り出す日になります。「いつ言おう」と悩み続けるより、気持ちが軽くなることが多いです。

人事や社内の相談窓口に相談する

直属の上司に言いにくい事情があるときは、人事に先に相談する方法もあります。上司との関係が悪く、話しても聞いてもらえなさそうな場合や、ハラスメントが疑われる場合などです。順番を飛ばすことになるので、社内の手続きを確認してから動くと安心です。

外部の相談窓口を使う

社内に相談しにくい、または退職を認めてもらえないなど、法律に関わる悩みがあるときは、厚生労働省の総合労働相談コーナーがあります。無料で相談でき、会社を通さずに使えます。

また、眠れない、食欲がない、朝になると動悸がするなど、心身の不調が出ている場合は、無理に自分だけで切り出そうとしないでください。厚生労働省のこころの耳で、相談窓口を探せます。体調の判断は、このブログではできません。医療機関や専門の窓口にご相談ください。

退職代行という選択肢について

どうしても本人が伝えられない状況では、退職代行のサービスを検討する人もいます。ただし、サービスによって、できることとできないことが異なります。費用もかかり、会社との間でトラブルになる場合もあります。使うかどうかは、仕組みや範囲をよく調べ、必要なら専門家に確認してから決めてください。まずは、ここまでに挙げた面談の申し込みや、人事・公的窓口への相談を試してからでも遅くありません。

なお、会社に行くのがつらくて仕方ない状態なら、会社に行きたくない気持ちの対処法も参考になります。

辞めたあとのことがまだ決まっていないのも、切り出せない理由の一つかもしれません。その不安は現実的です。話を聞いてもらえる場所があると、気持ちが少し楽になります。

当サイトの運営会社でも相談を受け付けています

辞めた後のことがまだ決まっていなくて切り出せない人のために、ひとつだけお知らせです。当サイトは、未経験・異業種への転職を支援する教育型の人材紹介サービス、株式会社ワークライフエージェント(厚生労働大臣許可 13-ユ-319878)が運営しています。

学びも転職支援も無料で、「まだ転職するか決めていない」段階の相談も受け付けています。人材紹介は採用が決まった企業からの成功報酬で成り立つ仕組みなので、それを分かったうえで、選択肢のひとつとして検討してもらえればと思います。相談したからといって、転職をすすめられるわけではありません。

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状況に応じて、次に読む記事

今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。

どらすた

言い出せないのは、自分の気持ちを大切にしようとしているからでもあります。怖さの中身を分けて、退職日と理由の一文、引き留めへの返事を決めておけば、切り出す一言はずっと軽くなります。それでも言えないときは、メールでの面談の申し込みや、人事、外部の窓口があります。一人で抱え込まず、できるところから一歩進めてくださいね。

転職を考え始めた方へ

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