残業したくない人
「残業したくない」と思うこと自体は、まったくおかしいことではありません。定時で帰りたいのに帰れない状態が続くと、自分の頑張りが足りないせいだと思い込んでしまいがちですが、多くの場合は原因の切り分け方が分かっていないだけです。
「効率が悪いだけ」「気合が足りない」と自分を責めてしまう前に、まずは何が残業の原因になっているのかを冷静に見極めることが、定時で帰るための一番の近道です。本記事では、その見極め方から、自分の力で変えられる工夫、そしてどうしても変わらないときの考え方まで、順番に整理していきます。
・残業したくないのに、なかなか定時で帰れない
・残業が減らない原因が、自分にあるのか職場にあるのか分からない
・定時で帰るための立ち回り方や、周囲への伝え方を知りたい
本記事の信憑性
・過去の僕は月200時間近く働き、残業が当たり前の生活を送っていました
・仕事の進め方や立ち回りを見直し、残業時間を大きく減らして定時退社を実現しました
・その後、会社に依存しない働き方を模索して転職も経験しています
本記事では、残業が減らない原因を切り分けたうえで、自分の力で変えられる部分と、そうでない部分を整理していきます。「残業したくない」という気持ちを我慢するのではなく、原因に合わせて対処していきましょう。
どらすた
目次
残業が減らない原因の切り分け

残業が続く原因は、ひとつではありません。大きく分けると「自分の仕事の進め方」「業務量そのもの」「職場の文化」の3つが絡み合っています。まずはどこに当てはまるのかを整理してみましょう。
自分の仕事の進め方

タスクの整理や優先順位づけができておらず、目の前の仕事から手を付けてしまっている状態です。この部分は、今日からでも自分の工夫で変えられる範囲です。次の章で具体的な方法を紹介します。
たとえば「何から手をつければいいか毎朝迷う」「依頼された仕事の締め切りを、あとから思い出して慌てる」といった状態に心当たりがあれば、進め方に改善の余地があるサインです。
業務量そのもの
担当している業務量が、そもそも定時内に終わる量ではないケースです。人員が足りていない、特定の人に仕事が偏っているといった場合、個人の工夫だけでは限界があります。
繁忙期でもないのに毎月同じだけ残業が発生している、担当している案件数が明らかに周りより多い、といった状態が続いているなら、個人の努力でカバーできる範囲を超えているサインです。こうした部分は、記事後半の「それでも減らないときに考えること」であらためて取り上げます。
職場の文化
「周りが残っているから帰りづらい」「早く帰ると評価が下がる気がする」など、残業を前提とした空気が職場に根付いているケースです。これも個人の努力だけで変えるのは難しい部分です。
残業したくない人
どらすた
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自分の進め方で変えられること

ここからは、自分の工夫だけで残業を減らせる可能性がある5つのポイントを紹介します。すべてを一気にやる必要はないので、できそうなものから試してみてください。
朝イチのタスク整理
残業したくない人
出社したら、まず「今日やるべきこと」を書き出すことから始めましょう。ここではExcelを使っていますが、付箋やメモ帳でも構いません。

書き出したタスクには、優先度の目印をつけていきます。
◎=重要かつ緊急
〇=重要ではないが緊急
△=今日中でなくてよい
✕=今週中でよい

頭の中で管理するより、こうして「見える化」しておくほうが、今やるべきことがすぐに把握でき、焦りも減ります。1つ終えるたびに斜線を引いていくと、進み具合も分かりやすくなります。

重要な仕事は、なるべく午前中に片付けるのがおすすめです。以前、情報産業労働組合連合会が発信した内容が話題になりました。
「人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは起床後12~13時間が限界であり、起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率まで低下する」
起床からの時間が長くなるほど集中力は下がっていくので、頭を使う仕事は午前中、単純作業は夕方に回すイメージでスケジュールを組むと効率が上がります。タスクの整理の仕方自体に迷う場合は、タスクとはや仕事がデキるようになるメモの取り方もあわせて参考にしてみてください。
優先順位づけ
タスクを洗い出したら、次は優先順位づけです。プライオリティーとはでも触れていますが、重要度と緊急度で分けて考えると判断しやすくなります。
優先順位をつけるときにもうひとつ意識したいのが、「完璧さ」と「スピード」のバランスです。PRESIDENT onlineの記事「仕事が『雑で速い人』vs『丁寧で遅い人』どちらがエラくなるか?」では、この点に関するアンケート結果が紹介されています。
このアンケートでは、管理職の立場になるほど「丁寧さ」より「スピード」を重視する傾向が見えています。すべての仕事に完璧さが求められているわけではないので、優先度の低い仕事は6割程度の完成度で提出し、優先度の高い仕事に時間を使うという配分も選択肢のひとつです。
たとえば「資料のデザインを整える作業」と「取引先への納品作業」が同時に残っている場合、多少デザインが粗くても納品を優先したほうが、全体としては評価されやすいはずです。
集中時間の確保

タスクと優先順位が整理できたら、次は「まとまった時間を確保すること」を意識しましょう。会議や急な依頼に予定を埋め尽くされてしまうと、結局残業でしか重要な仕事を進められなくなってしまいます。
スケジュールを立てるのは、業務時間外がおすすめです。僕は通勤中に翌日の予定を考えるようにしていました。ツールとしては、無料で使えるGoogleカレンダーが便利です。

スマホとPCで連携できるので、通勤中でも予定の確認や調整ができます。
担当している仕事が複数の工程にまたがる場合は、ガントチャートで全体の流れを可視化しておくと、どこにまとまった時間が必要かが見えやすくなります。

縦軸に「やるべき仕事」、横軸に「時間(日付)」を並べることで、進捗状況や無理のあるスケジュールに気づきやすくなります。

Excelで作成することもできますが、無料で使える「Jooto」のようなツールを使うと手軽に作成できます。通知をオフにする、集中したいときだけ席を移動するなど、割り込みを減らす工夫を合わせて行うと、確保した時間の効果がより高まります。

依頼の受け方・断り方

先輩社員
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頼まれた仕事をすべて自分で抱え込む必要はありません。今日中に対応できる量なのか、優先度の高いタスクを後回しにしてまでやるべきかを、その場で確認する習慣をつけましょう。
「今抱えている〇〇を優先しているので、この依頼は明日でもよいですか」と一言添えるだけで、相手も状況を把握でき、無理な抱え込みを防げます。断ることに抵抗がある場合は、「できません」ではなく「今日はここまでなら対応できます」と、対応可能な範囲を提示する伝え方にすると受け入れられやすくなります。
抱え込みすぎて仕事が雑になってしまうと、かえって評価を落とすこともあります。心当たりがある方は入社2年目でミスばかりの人が変わった話も参考になるはずです。
ムダな作業の自動化・効率化

毎日繰り返している単純作業がある場合は、自動化や効率化を検討しましょう。特に業務経験がまだ浅いうちは、覚えることに時間がかかる分、単純作業の負担が相対的に大きくなりがちです。
例えば下記のようなExcelの一覧表から、毎回手作業で条件に合うデータを抽出しているとします。

こうした決まった手順の作業は、Excelのマクロ機能を使えば、ボタン1つで実行できるようになります。

また、コピー&貼り付けのようなマウス操作も、ショートカットキーに置き換えるだけで積み重なると大きな時間差になります。1回あたり数秒の違いでも、毎日繰り返せば月単位ではまとまった時間になります。小さな効率化ほど後回しにされがちですが、積み重なると残業時間に直結します。

どらすた
定時で帰るための立ち回り

進め方を工夫できても、周囲への伝え方や見せ方次第で「帰りづらさ」が生まれてしまうこともあります。同じだけ仕事を終えていても、伝え方ひとつで「早く帰る人」という印象と「きちんと仕事をしている人」という印象は大きく変わります。ここでは定時で帰るための立ち回りを紹介します。
退勤の切り出し方
「今日は残業しても大丈夫です」というような、曖昧な意思表示は避けましょう。「本日のタスクは完了したので、定時で失礼します」と、事実ベースで簡潔に伝えるほうが角が立ちません。
退勤前に「明日は〇〇から着手します」と一言添えておくと、続きを引き継ぐ形が伝わり、周囲も安心しやすくなります。「何かあれば連絡してください」と伝えたうえで退勤すれば、緊急時の連絡手段を残しつつ、必要以上に会社に残る必要もなくなります。
進捗の見せ方
残業しづらい空気は、多くの場合「あの人はまだ仕事が終わっていないのでは」という周囲の不安から生まれます。日頃からタスクの進捗を見える形にしておくことで、定時で帰っても仕事が滞っていないことが伝わりやすくなります。
朝イチで整理したタスク表や、先ほどのガントチャートをチームで共有しておくのも一つの方法です。「今どこまで進んでいるか」が誰にでも分かる状態にしておけば、進捗を都度口頭で説明する手間も減ります。特にリモートワークや在席確認がしづらい環境では、進捗が見えないこと自体が「サボっているのでは」という誤解を生みやすいので、こまめな共有がより重要になります。
周囲への配慮
定時で帰ることを続けやすくするには、日頃の人間関係も関わってきます。自分に余裕があるときは周囲の仕事を手伝い、逆に困ったときは頼れる関係を作っておくと、お互いに定時で帰りやすい空気ができていきます。
「定時で帰るために周りに協力してもらう」だけでなく、「周りが定時で帰れるように自分も協力する」という姿勢が、結果的に自分の働きやすさにもつながります。忙しそうな同僚に「何か手伝えることある?」と一声かけるだけでも、後日自分が助けてもらいやすい関係につながっていきます。
それでも減らないときに考えること

進め方や立ち回りを工夫しても残業が減らない場合、原因は「業務量そのもの」や「職場の文化」にある可能性が高いです。この部分は、個人の努力だけで解決するのが難しい領域です。
まず意識しておきたいのが、自分の労働時間を記録しておくことです。実際にどんな業務にどれくらい時間がかかったかを日々メモしておくだけでも、後で自分の状況を客観的に振り返る材料になります。
・出勤時刻と退勤時刻
・その日の主な業務内容とかかった時間
・残業になった理由や、依頼された経緯
手帳やスマホのメモで構わないので、簡単なメモでも継続して残しておくと安心です。労働時間や残業代の扱いは会社ごとに規定が異なるため、詳細は勤務先の就業規則や、労働基準監督署などの公的な相談窓口・専門家に確認することをおすすめします。
一人で抱え込みすぎないことも大切です。社内であれば上司や人事、労働組合、社外であれば労働基準監督署や、各自治体・弁護士会などが設けている公的な相談窓口といった話せる場所があることも知っておいてください。相談したからといって、すぐに何かが大きく変わるとは限りませんが、状況を整理して話すこと自体が気持ちの負担を軽くしてくれることもあります。
「会社に行くこと自体がしんどい」と感じ始めている場合は、無理をする前に会社に行きたくない気持ちの解消も読んでみてください。
どらすた
環境を変える選択肢

業務量や職場の文化そのものが原因の場合、部署異動や転職といった「環境を変える」選択肢も視野に入ってきます。ただしこれは、残業を減らすための特効薬ではなく、あくまで選択肢の一つです。
焦って転職先を決める必要はありません。まずは今の職場でできる工夫を試したうえで、それでも状況が変わらない場合の選択肢として考えておくくらいでちょうどいいと思います。
「今の会社でこのまま働き続けて大丈夫か」と迷ったときも、いきなり転職活動を始める必要はありません。信頼できる人に相談したり、求人情報を眺めて今の自分の市場価値を知っておいたりするだけでも、気持ちに余裕が生まれます。第二新卒として転職を考える場合は、退職理由の伝え方も気になるところだと思うので、第二新卒の転職理由の伝え方もあわせて参考にしてみてください。
僕自身、残業続きの働き方を見直したことがきっかけで、会社以外の選択肢についても考えるようになりました。今の環境に無理に合わせ続けるのではなく、自分に合った働き方を探ること自体は、まったく後ろ向きなことではありません。
まとめ:残業したくない気持ちを、原因の切り分けから解決する
「残業したくない」という気持ちは、甘えでも怠けでもありません。まずは原因を「自分の仕事の進め方」「業務量そのもの」「職場の文化」に切り分け、自分で変えられる部分から手をつけていきましょう。
朝イチのタスク整理や優先順位づけ、集中時間の確保、依頼の受け方といった工夫は、今日からでも始められます。残業を減らすことは、仕事への手抜きではありません。限られた時間の中でどう成果を出すかという工夫だと捉えて、少しずつ取り組んでみてください。
それでも状況が変わらない場合は、一人で抱え込まず、労働時間の記録を残しつつ、社内外の相談窓口や環境を変える選択肢があることも忘れないでください。
どらすた
以上で終わります、ありがとうございました。
働き方そのものを変えたいと考え始めたときは、転職活動の時間がない人へ|働きながら時間を作る方法で、忙しいなかでも動き出すための時間の作り方を紹介しています。
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8つの質問に答えると、いまのあなたが「土台づくり期」「助走期」「跳躍準備期」「環境見直し期」のどれに近いかがわかります。結果に応じて、次に読むとよい記事もご案内します。登録は不要です。
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