2年目で後輩に教えるのが怖い人へ|自分もまだできないのに教える立場になったとき

2年目で後輩に教えるのが怖い人へ 自分もまだできないのに教える立場になったとき

悩める会社員

4月に後輩が入って、「面倒を見てあげて」と頼まれました。でも、自分もまだ分からないことだらけです。質問されても答えられなくて、「え、知らないんですか」という顔をされたらと思うと怖いです。後輩のほうが覚えが早い気もして、教える立場にいていいのか分からなくなっています。

どらすた

教える自信がないまま教育係になるのは、2年目にとても多い悩みです。今日は、なぜ2年目に役目が回ってくるのか、「教えられない」の中身の分け方、最低限の教え方の型、質問に答えられないときの返し方、自分の仕事が回らないときの相談の仕方、そして限界のサインまで、順番に整理していきます。

この記事は、「自分もまだできないのに、後輩に教える立場になった2年目」本人に向けて、教える側としての気持ちの整理と動き方を扱います。同期や後輩と比べて落ち込む悩み、2年目で仕事ができないと感じる悩み、自分のミスが多い悩みは、それぞれ専用の記事で詳しく扱っているので、後半の一覧から読んでください。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の職場に置き換えて読んでください。

後輩ができた2年目が、教える立場になる理由

「なぜ自分が」と思うのは自然です。ただ、2年目に教育係が回ってくるのは、あなたが完璧だと見られているからとは限りません。多くの職場で、次のような事情が重なっています。

  • いちばん年次が近く、新人がつまずく場所を最近まで自分も通ってきた人だから。
  • 先輩や上司は業務が多く、新人につきっきりになる余裕がないから。
  • 新人にとって、気軽に聞ける相手が必要だと会社側が考えているから。
  • 教える経験を早めに積ませたい、という育成の意図があるから。

会社側が期待しているのは、専門家のような指導ではないことが多いです。「分からないことを聞ける窓口」「職場のルールや雰囲気を教える人」といった役割です。1年前の自分が知りたかったことを伝えるだけでも、新人にとっては十分に助けになります。たとえば、昼休みの過ごし方、電話や来客の対応の流れ、誰に何を聞けばよいかといった、マニュアルに載りにくいことです。

もちろん、何をどこまで任されているのかは職場によって違います。曖昧なままにしておくと不安が膨らむので、「教育係として、私はどこまで見ればよいでしょうか」と、早めに上司へ確認しておくのも一つの方法です。

「教えられない」の中身を分けて考える

教える自信がないとき、頭の中では不安がひとかたまりになっています。そのまま悩み続けると、何から手をつけてよいか分からなくなります。いったん分解して眺めるだけでも、気持ちは少し落ち着きます。

「教えられない」と一言で言っても、中身はいくつかに分かれます。どれに近いかが分かると、対処が変わります。

知識がまだ足りない

業務の全体像や理由まで、自分がまだ理解できていない状態です。2年目なら当然で、恥じることではありません。この場合は、分からない部分を「一緒に確認する」形にすれば解決します。

知っているのに言葉にできない

自分は普通にできるのに、説明しようとすると詰まる状態です。慣れた作業ほど、手順を意識せずにやっているために起きます。この場合は、説明を頑張るより、やって見せるほうが伝わります。

自分の仕事で手いっぱい

教える能力の問題ではなく、時間と余裕の問題です。この場合は、自分を責めるより、仕事の量や優先順位を調整する相談が必要になります。これは後半の節で扱います。

答えられないのが怖い

知識や時間より、「答えられなかったら恥ずかしい」「頼りない先輩だと思われる」という怖さが大きい状態です。この場合は、答えられなくても困らない返し方を、あらかじめ用意しておくと楽になります。

悩める会社員

全部当てはまる気がします。とくに、答えられなかったときの空気が怖いです。

どらすた

全部当てはまっていても大丈夫です。一度に直そうとせず、いちばん困っているものから順に見ていきましょう。まずは、教えるときの最低限の型からです。

2年目が後輩に教えるときの最低限の型

全部教えようとしない

教える立場になると、「全部伝えなければ」と考えがちです。でも、新人が最初の数週間で覚えきれる量には限りがあります。まず伝えるのは、次の3つくらいで十分です。

  • 今日、これだけは覚えてほしいこと。
  • 困ったときに誰に聞けばよいか。
  • やってはいけないこと、事前に確認が必要なこと。

それ以外は、必要になったときに少しずつ足していけば間に合います。

やって見せる、一緒にやる、見守る

作業を教えるときは、次の順番にすると、うまく説明できなくても伝わりやすくなります。

  • やって見せる:自分が作業をしながら、何をしているかを短く声に出す。
  • 一緒にやる:後輩に手を動かしてもらい、横で見ながら、つまずいたところだけ助ける。
  • 見守る:後輩が一人でやり、終わったら結果を一緒に確認する。

言葉で完璧に説明できなくても、「見て、やって、確認する」の流れがあれば、教えたことになります。説明が苦手な人ほど、この型が助けになります。

分からないことは「一緒に確認しよう」と言ってよい

教える側が分からないことを認めるのは、頼りなさではなく誠実さです。知らないのに知ったふりをして間違いを教えるほうが、後輩にとっても自分にとっても危険です。分からないときの言い方には、次のような例があります。

分からないときの言い方の例

「それは私も自信がないので、一緒に確認しましょう」

「いい質問ですね。正確に答えたいので、〇〇さんに確認してから、あとで伝えます」

「前に教わったはずなのですが、今は思い出せません。マニュアルを一緒に探してみましょう」

「私のやり方はこうですが、正式な決まりがあるかもしれません。確認して、違っていたら訂正しますね」

例文はそのまま使わず、自分の言葉に直して使ってください。「あとで伝えます」と言った場合は、その約束を守って伝え返すことだけ忘れないようにします。それだけで、信頼は十分に守れます。

質問されて答えられないときの返し方

質問されたとき、その場で答えようと焦ると、かえって間違いやすくなります。まず質問の意味を確認します。「〇〇の手順のことですか、それとも理由のことですか」と聞き返すと、考える時間も稼げます。それでも分からなければ、上の例のように「確認して伝える」と返して大丈夫です。

そのうえで、確認した内容を自分のメモに残しておくと、次に同じ質問が来たとき答えられます。メモの取り方に迷う場合は、メモの取り方に関する記事も参考にしてください。後輩のほうから質問しにくそうにしているときは、質問のしかた自体を一緒に整理するのも助けになります。その視点は、質問の仕方に関する記事が参考になります。

たとえば、後輩から「この資料はどこにありますか」と聞かれて、すぐ思い出せない場面を考えてみます。これは例です。その場で探し回って時間を使うより、「探し方を一緒に見てみましょう」と共有フォルダを一緒に開くほうが、後輩は次から自分で探せるようになります。答えを渡すだけでなく、探し方を見せることも、立派な教え方です。

教えることは、自分の理解を深める機会にもなる

教える場面は、負担であると同時に、自分の理解を確かめる機会でもあります。後輩に聞かれて初めて「なぜこの手順なのか」を調べ直し、自分の中の曖昧な部分に気づくことがあります。答えを調べた分だけ、自分の知識が増えていきます。「教えられない自分」を責めるより、「教えるために調べる時間」を、自分の学び直しだと考えると、少し気持ちが軽くなります。

悩める会社員

教えようとすると、自分の仕事が止まってしまいます。後輩のほうが器用そうで、焦りもあります。

どらすた

どちらも、教える立場になった人がよくぶつかる壁です。時間の問題は上司への相談で、焦りの問題は考え方の整理で、それぞれ軽くできます。

自分の仕事が回らないとき、後輩が優秀に見えるとき

教える立場になると、自分の時間と気持ちの両方が削られやすくなります。ここでは、時間の問題と、気持ちの問題を分けて整理します。どちらも、一人で解決しようとしなくて構いません。

自分の仕事が回らないときは、上司に相談する

教える時間は、通常、業務時間の一部として扱われるべきものです。それなのに、自分の仕事量が変わらないまま教育係を任されると、どこかに無理が出ます。我慢して抱え込まず、状況を数字や事実で伝えて相談しましょう。次のような伝え方が考えられます。

  • 「後輩の対応に1日のうち〇時間ほど使っており、自分の〇〇の作業が遅れています。優先順位を確認させてください」
  • 「教える範囲を絞りたいのですが、どこまで私が見て、どこから先輩に回してよいでしょうか」
  • 「〇〇の業務は、期限を調整するか、他の方に分担をお願いできないでしょうか」

相談するときは、「できません」ではなく、「このままだと〇〇が遅れそうなので、判断をお願いしたい」と、判断材料として渡すのがコツです。上司も、状況が見えて初めて調整できます。

後輩が優秀に見えるときは、教える側の役割だけを見る

後輩のほうが覚えが早く見えることは、実際にあります。そのとき、「自分の存在価値がない」と感じてしまう人もいます。でも、教える側の役割は、後輩より仕事が上手であることではありません。職場の事情、人のつながり、過去の経緯など、後輩がまだ知らないことを伝える役目です。仕事の器用さが後輩より劣っていても、その役目は果たせます。

後輩の優秀さを素直に認めて、「それ、いいやり方ですね。私にも教えてください」と言える先輩は、むしろ信頼されやすいです。自分と周囲を比べて落ち込む気持ちそのものについては、同期や周りと比べてしまう悩みの記事で詳しく扱っています。

限界のサインと相談先、そしてよくある質問

無理が続いているサイン

教える立場の負担が大きくなりすぎたときは、自分の頑張りで何とかしようとせず、周りに相談する段階です。次のような状態が続いていないか、確認してみてください。

  • 後輩の対応で、自分の仕事を毎日のように残業でカバーしている。
  • 相談しても、教える範囲や仕事量が調整されない。
  • 朝になると職場に行くのが強くつらく、眠れない日が続いている。
  • 後輩の存在を考えるだけで、動悸や強い不安が出る。

こうした状態は、気合いや工夫だけでは解決しにくいものです。上司に相談しても変わらないときは、人事や別の上司、信頼できる先輩に話してみてください。気持ちや体調の不安が強いときは、厚生労働省のこころの耳のように、働く人向けの相談窓口もあります。このブログでは医学的な判断はできないので、つらさが続くときは、専門の窓口を頼ってください。

役割そのものが重すぎると感じて、環境を変えることを考え始めた場合は、辞めたいと感じたときの記事で、続ける、相談する、転職するという選択肢を整理しています。

よくある質問

2年目の教える悩み、よくある質問
  • Q. 2年目で後輩に教えられないのは普通ですか?
    A. 普通です。2年目はまだ自分の仕事を覚えている途中で、教える経験もほとんどありません。教えられないのは能力の欠如ではなく、準備の途中だからです。全部を教えようとせず、「一緒に確認する」「確認して伝える」を使って、少しずつ慣れていけば大丈夫です。
  • Q. 後輩のほうが優秀に見えるときはどうすればよいですか?
    A. 教える側の役割は、後輩より仕事ができることではなく、職場のルールや背景を伝えることです。後輩が優れている点は素直に認めて、教えてもらう姿勢を見せても構いません。そのほうが、お互いに聞きやすい関係になります。
  • Q. 質問に答えられなかったら、頼りないと思われませんか?
    A. 知ったふりで間違いを伝えるより、「確認して伝えます」と言って後で正しく返すほうが、信頼されやすいです。答えられないこと自体より、その後の対応が見られています。

状況に応じて、次に読む記事

今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。

どらすた

自分もまだできないのに教える立場になるのは、誰にとっても不安なことです。完璧に教えなくて大丈夫です。分からないことは一緒に確認して、仕事が回らないときは早めに相談してください。教える経験は、あとから自分を助けてくれます。一人で抱え込まず、少しずつ進めていきましょうね。

今の状況を整理したい方へ

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