新人でメモを取りすぎて仕事が進まない人へ|書く量を減らして覚える順番

新人でメモを取りすぎて仕事が進まない人へ 書く量を減らして覚える順番

悩める会社員

先輩の説明を全部書き留めようとして、手がまったく追いつきません。書いているうちに話が先へ進んでしまい、肝心の内容が聞けていないこともあります。しかもノートは増える一方で、見返す時間はありません。先日、先輩から「メモばかりで仕事が進んでいないよね」と言われてしまい、どうしたらいいのか分からなくなりました。

どらすた

メモを取りすぎてしまうのは、真面目に覚えようとしている人に起こりやすいことです。怠けているわけではありません。今日は、取りすぎが起きる理由、書く量を減らす順番、何を書いて何を書かないかの線引き、メモに頼らず覚える仕組み、先輩に言われたときの返し方、そして減らしても不安なときの考え方まで、順に整理していきます。

この記事では、メモの取り方の技術そのものではなく、書く量が多すぎて仕事が進まない状態をどう抜けるかを扱います。仕事の覚え方全般や、質問の仕方、作業の遅さについては、それぞれ別の記事に分けてあります。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の職場に置き換えて読んでください。

新人がメモを取りすぎてしまう理由

まず、なぜ取りすぎが起きるのかを見ておきます。理由が分かると、「自分はだめだ」という気持ちが少し軽くなります。

入社したては、全部が重要に見える

仕事を始めたばかりのうちは、何が大事で何がそうでもないのか、判断する材料がありません。先輩の話はどれも大切に聞こえますし、聞き逃したら困るように感じます。だから、全部を書くしかなくなります。これは能力の問題ではなく、経験がまだ足りないだけです。

忘れる怖さが、手を止めさせない

一度聞いたことを忘れて、同じことを聞き直すのは気まずいものです。「二度は聞けない」という気持ちが強いほど、念のために書いておこうとして、書く量が増えていきます。

聞き直せない雰囲気がある

先輩が忙しそうで、後から聞き直しにくい職場もあります。その場で全部を書き取らないと取り返しがつかない、と感じてしまうのは自然なことです。つまり、取りすぎの背景には、本人の性格だけでなく、聞き直しにくい環境も関わっています。

この三つは、重なって起きることも多いです。全部が大事に見えて、忘れるのが怖くて、聞き直しにくい。そうなると、手を止める理由がどこにもありません。取りすぎは、本人の弱さではなく、こうした条件がそろった結果として起きると考えてください。見直すべきなのは、自分の性格ではなく、その場での書き方です。

悩める会社員

理由は分かりましたが、書かないのは怖いです。減らしたら、本当に大事なことを落としそうで。

どらすた

いきなりゼロにする必要はありません。減らすには順番があります。その場で書く量を絞り、あとで補う形にすれば、落とす不安はだいぶ小さくなります。

メモばかりで手が追いつかないとき、書く量を減らす順番

書く量は、一気に減らそうとするとうまくいきません。次の順に、ひとつずつ試してみてください。

最初は「聞く」に集中して、要点だけを書く

説明を受けているあいだは、書くよりも聞くことを優先します。その場では、要点を3語ほど書くだけにします。たとえば「請求書、月末、課長確認」のような、単語の並びで構いません。文章にしようとすると、書くあいだに話が進んでしまいます。単語だけなら、顔を上げて相手を見ながら聞けます。

場面の例です。先輩が「この伝票は、月末までに課長の確認をもらってから経理に回してね」と説明したとします。全部を書き取ろうとすると、「月末までに」を書いているあいだに、課長の確認の話が耳を通り過ぎます。単語で「伝票、月末、課長確認、経理」とだけ書いておけば、顔を上げたまま最後まで聞けて、あとから文章に直せます。

説明が終わってから、補う時間をとる

文章にする作業は、説明が終わってからです。席に戻って数分、単語のメモを見ながら、覚えている内容を補います。このとき、思い出せない部分が出てきたら、それが本当に聞き直すべきところです。全部を聞き直すのではなく、抜けた一点だけを確認すれば済みます。

補うときは、きれいな文章にしなくて構いません。「誰に、いつまでに、何を渡すか」が読み取れれば十分です。あとで自分が読んで分かる形であれば、それが正解です。

同じ作業は、2回目から書かない

一度書いた作業を、次に教わるときにもう一度全部書く必要はありません。2回目からは、前に書いた内容との違いだけを書き足します。同じ説明を何度も書き写していると、ノートが山になる原因になります。2回目に聞くときは、書くよりも「前に書いたことと同じかどうか」を確かめながら聞くと、頭に残りやすくなります。

何を書いて、何を書かないかの線引き

書くかどうか迷ったときの目安を、次の二つに分けて持っておくと、手が止まりやすくなります。

書いておくとよいのは、次のようなものです。

  • 自分で調べても分からない、その職場ならではのルールや決まり。
  • 期限、提出先、確認する人など、間違えると困る情報。
  • 「ここだけは気をつけて」と先輩が強調した点。

書かなくてよいのは、次のようなものです。

  • 資料やマニュアルにすでに書いてあること。
  • 何度かやれば自然に身につく、体を動かす手順。
  • 雑談や背景の説明で、作業そのものには関係しない部分。

資料に載っている内容を書き写しても、同じものが二つできるだけです。「資料のどこに載っているか」だけを書いておけば十分です。メモの取り方そのものを詳しく知りたい場合は、メモの取り方に関する記事も参考にしてください。

メモを取らずに覚える仕組みをつくる

メモは、仕事を覚えるための手段のひとつにすぎません。書く以外の覚え方も組み合わせると、メモの量は自然に減っていきます。

ここで挙げるのは、どれも特別な道具のいらない方法です。ノートとペンがあれば始められます。ひとつだけ選んで、まず一週間試してみる程度で十分です。

書いたものを手順書にまとめる

バラバラのメモを、週に一度でも手順の形に整えると、見返せるものになります。「最初に何をして、次に何をするか」を並べるだけで構いません。手順書になったメモは、新しいことを教わるたびに足していけます。逆に、整えないまま溜まったメモは、探す時間のほうが長くなりがちです。見返す時間がなくてメモが山になる人ほど、書く量を減らして、整える時間にあてたほうが役に立ちます。

業務の地図を一枚つくる

細かい手順を覚える前に、仕事の全体像を一枚の図にしておくと、個々の説明がどこに当てはまるのかが分かりやすくなります。「誰から依頼が来て、誰が確認して、どこへ渡すか」を、四角と矢印で書くだけです。全体が見えると、「これは自分に関係が薄い話だ」と判断できるようになり、取りすぎが減ります。地図は最初から正確でなくて構いません。分かったことが増えるたびに、線を一本ずつ足していけば、自分だけの全体図になります。

一度やってみて、体で覚える作業を見分ける

パソコンの操作や、定型の入力作業は、書くより実際に手を動かしたほうが早く覚えられます。説明を受けたら、その場か直後に一度やってみます。やった作業は、メモを見なくてもできるようになることが多く、書き残す必要も減ります。逆に、判断が必要な作業や、例外が多い作業は、書いておいたほうが安心です。覚え方そのものに悩んでいるときは、仕事が覚えられないときの記事で、別の角度から整理しています。

悩める会社員

でも、先輩に「メモばかり」と言われたときは、どう答えればいいのでしょうか。

どらすた

責められたと受け取って、黙り込んでしまう人が多いです。ですが、先輩は「書くことをやめろ」と言いたいのではなく、「ちゃんと聞いてほしい」「早く自分で動けるようになってほしい」と思っていることもあります。言い方の例を用意しておきましょう。

先輩に「メモばかり」と言われたときの受け答え

先輩の言葉の裏には、いくつかの意図が考えられます。手元ばかり見ていて話を聞いていないように見えた、書くばかりで実際の作業に移らない、といった心配です。どれにしても、責めているというより、困っているサインであることが少なくありません。次の例を参考に、自分の言葉に直して使ってみてください。

先輩に「メモばかり」と言われたときの返し方の例

「すみません、全部書こうとして手元ばかり見ていました。これからは、まず聞くことに集中して、要点だけ書くようにします」

「書いたものを、あとで手順の形に整理しています。もし書きすぎだと感じる点があれば、教えていただけますか」

「今の説明のうち、ここだけは書いておいたほうがいい、という点はどこでしょうか」

三つ目のような聞き方は、先輩にとっての「大事なところ」を教えてもらう機会にもなります。線引きの感覚は人によって違うので、直接聞いてしまうのがいちばん早い方法です。聞いたことをそのまま実行して、次の機会に「前回教えていただいた点だけ書くようにしました」と伝えれば、先輩にも変化が伝わります。ただし、傷つく言い方をされたときや、人格を否定されるような言葉が続くときは、メモの量とは別の問題です。その場合は、仕事の悩み全般を扱った新入社員の仕事の悩みに関する記事も合わせて見てください。

メモを減らしても不安なときの考え方

メモを減らすと、最初のうちは不安になります。それは自然なことです。次のように考えてみると、気持ちが少し楽になります。

  • 覚えきれないのは当たり前で、新人が一度で全部を覚えることは求められていません。
  • 忘れたら聞き直すのは、悪いことではありません。聞き直し方は、質問の仕方の記事で整理しています。
  • 不安が強いあいだは、メモを減らす量を小さくして構いません。1回の説明で書く量を、少しずつ減らしていく程度で十分です。

メモの量は、安心の量とは違います。たくさん書いたからといって、仕事ができるようになるわけではありません。むしろ、書いたことに安心して、頭の中で整理する機会が減ってしまうことがあります。少なく書いて、あとで自分の言葉でまとめ直す。そのほうが、記憶にも残りやすくなります。

それでも不安が消えないときは、メモの量を決める基準を、自分ではなく先輩の指示に預けてしまう方法もあります。「このメモは取っておいたほうがいいですか」と一言聞けば、取るべきものと取らなくていいものが、少しずつ見えてきます。

何が分からないのかが自分でも分からないときは、質問の仕方に関する記事が助けになります。作業が遅いこと自体が気になっているなら、作業が遅いときの記事で、原因の切り分け方を扱っています。

最後に、よくある疑問を二つにまとめておきます。

よくある質問

Q. 新人がメモを取りすぎるのは悪いことですか?
A. 悪いことではありません。真面目に覚えようとしている表れです。ただし、書くことに時間と注意を取られて、聞くことや作業が止まっているなら、書く量を見直すタイミングです。要点だけ書き、あとで補う形にすると、取りすぎが落ち着きやすくなります。

Q. メモを取っていると話が聞けないときは、どうすればいいですか?
A. 説明を受けているあいだは、顔を上げて聞くことを優先してください。その場では単語を数個書くだけにして、説明が終わってから文章に直します。それでも抜けた部分は、その一点だけを聞き直せば大丈夫です。

Q. メモばかりで仕事が進まないと感じたら、何から変えればいいですか?
A. 同じ作業は2回目から書かないこと、資料にあることは書き写さないことの二つから始めると、取り入れやすいです。

状況に応じて、次に読む記事

今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。

どらすた

メモを取りすぎるのは、仕事を真剣に覚えようとしている証拠です。そこを責める必要はありません。まずは聞くことに集中して、書くのは要点だけ。あとで補い、同じことは2回目から書かない。この順番で、少しずつ書く量を減らしていってください。減らす途中で不安になっても、それは普通のことです。焦らず、自分のペースで大丈夫ですよ。

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