悩める会社員
どらすた
目次
「辞めたい」と感じるのは、2年目という時期の特徴でもあります
入社してすぐの1年目は、目の前の仕事を覚えることで精いっぱいで、会社や仕事の全体像を見る余裕がなかった人が多いのではないでしょうか。2年目に入ると、一通りの業務が見えてきて、自分の裁量の少なさや、会社の仕組みの粗さ、上司や先輩の限界のようなものも見えるようになってきます。これまで見えていなかったものが見えてしまうことで、期待していた仕事や会社との間にギャップを感じやすくなると言われています。
また、2年目は同期との差を意識しやすい時期だとも言われています。配属先や上司との相性によって、任される仕事の量や成長のスピードに差が出始め、隣の芝生が青く見えることもあるでしょう。さらに、もうすぐ後輩が入ってくるタイミングでもあるため、「自分はまだこんな状態でいいのだろうか」という焦りが重なりやすいのも、2年目特有の事情だと僕は感じています。
僕がコンサルティング会社を立ち上げる前、最初の会社を辞めた時期を振り返ってみても、辞めたいという気持ちは、ある日突然わいたわけではありませんでした。仕事に慣れてきて視野が広がったタイミングで、少しずつ違和感が積み重なっていった感覚があります。今の状態を「自分がおかしいから辞めたいと思っている」と責める必要はないと僕は思っています。
具体的に僕自身の場合を振り返ると、辞めたいと感じ始めたきっかけは、任される業務の範囲がなかなか広がらないことへの物足りなさと、会議での上司の判断が想像していたほど一貫していないと気づいたことでした。入社したばかりの頃は、上司や会社の判断はどこか揺るぎないものに見えていましたが、慣れてくると、その判断も一人の人間が限られた情報の中で行っているものだと見えてきます。理想と現実のギャップに気づくこと自体は悪いことではなく、仕事を自分なりの視点で見られるようになってきた証拠でもあると僕は思っています。
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一時的な衝動か、慢性的な消耗かを切り分ける
辞めたいという気持ちには、大きく分けて二つのタイプがあると僕は考えています。一つは、特定の出来事がきっかけで生まれる一時的な衝動です。上司に理不尽に叱られた、大きなミスをして落ち込んだ、繁忙期で睡眠時間が削られた、といった出来事の直後は、多くの人が「もう辞めたい」と思いやすくなると言われています。もう一つは、特定の出来事がなくても続いている、慢性的な消耗です。
この二つを見分けるために、僕がおすすめしたいのは、辞めたいと感じた出来事と、その時に浮かんだ感情を、紙やメモアプリに分けて書き出してみることです。「先週、企画がボツになった」「今日、会議で発言を無視された」といった事実と、「悔しかった」「情けなかった」といった感情を、別々の欄に書いていきます。一週間ほど続けてみると、特定の出来事のあとだけ気持ちが落ち込んでいるのか、出来事に関係なく毎日重い気持ちが続いているのかが、自分でも見えやすくなります。
たとえば、ある日の記録なら「事実:提出した資料に上司から細かい修正が10か所以上入った」「感情:恥ずかしさと苛立ち」というように、一行ずつ具体的に書いていきます。慣れてくると、同じような場面で同じような感情がくり返し出てきていることに気づくはずです。特定の人間関係が絡む場面でだけ気持ちが沈んでいるのか、業務内容そのもので気持ちが沈んでいるのかが分かれば、次に何を変えればよいのかも見えやすくなります。一週間で判断がつかない場合は、無理に結論を急がず、二週間、三週間と記録を続けてみてください。
一時的な衝動であれば、少し時間を置くだけで気持ちが落ち着くことも珍しくありません。一方で、出来事に関係なく気持ちの重さが続いている場合は、単なる一時的な感情ではなく、今の環境そのものが自分に合っていない可能性を考えたほうがよさそうです。
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辞める前に確認しておきたいこと
「今の会社」の問題か、「仕事そのもの」の問題か
辞めたい理由が、今の会社特有の事情によるものなのか、それとも仕事そのものに対する不向きさから来ているものなのかによって、取るべき選択は変わってきます。たとえば、特定の上司との相性、チームの雰囲気、労働時間の長さといった要因であれば、部署異動や転職によって状況が変わる可能性があります。一方で、人と話すこと自体が苦手、細かい数字を扱う作業がどうしても合わない、といった仕事の性質そのものへの違和感であれば、会社を変えても同じ壁にぶつかる可能性があります。
たとえば、前の部署では残業が続いて常に辞めたい気持ちを抱えていたのに、異動後は同じ会社の中でも気持ちが落ち着いたという話は珍しくありません。このようなケースでは、会社そのものというより、部署や上司との相性が大きな要因だった可能性があります。反対に、部署や会社を変えても、人前で話す場面のたびに強い苦痛を感じ続けるようであれば、仕事の性質自体が今の自分に合っていないサインかもしれません。
ちなみに、日々のミスが続いて落ち込んでしまうことが辞めたい気持ちの引き金になっている場合は、原因が会社ではなく経験不足によるものであることも少なくありません。そのあたりの整理については、ミスが続いて落ち込んでいる2年目向けの記事で具体的に扱っていますので、あわせて読んでみてください。
環境を変えずに解決できる余地はないか
辞めたい理由を書き出したら、それぞれについて「今の会社にいながら変えられることはないか」を考えてみましょう。上司に業務量の相談をする、異動を希望する、評価制度について人事に確認するなど、実際に動いてみないと分からない選択肢は意外と残っています。すべての方法を試したうえでそれでも状況が変わらないのであれば、それは環境を変える理由として十分に説得力を持ちます。
たとえば、業務量が多すぎると感じているなら、まずは自分の一週間のタスクを書き出し、優先順位をつけて上司に共有してみましょう。人間関係に悩んでいるなら、直属の上司ではなく、斜め上の先輩や人事に相談窓口があるか確認してみるのも一つの方法です。実際に動いてみると、「異動までは難しくても業務量は調整できた」というように、部分的にでも状況が変わることは意外とあります。
貯金と生活の現実
気持ちの整理と同じくらい大切なのが、お金と生活の現実です。次の仕事が決まる前に退職してしまうと、収入が途絶える期間の生活費や、社会保険の切り替え手続きなど、想定していなかった負担が発生することがあります。辞めたい気持ちが固まってきたときほど、まずは今の貯金でどれくらいの期間生活できるかを具体的に計算しておくことをおすすめします。
具体的には、家賃、食費、通信費、保険料といった毎月の固定費をすべて書き出し、それを今の貯金で何か月分まかなえるかを計算してみましょう。次の仕事が決まるまでにかかる期間は人によって差がありますが、想定より長引く可能性も考えておくと、いざという時に焦らずに済みます。生活の見通しが立っているだけで、次の一歩を選ぶときの気持ちの余裕はかなり変わってきます。
・辞めたい理由は「会社」の問題か「仕事」の問題か
・環境を変えずに解決できる方法をすべて試したか
・次の収入が決まるまでの生活費は確保できているか
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「残る」を選ぶ場合、「辞める」を選ぶ場合
残ると決めた場合の立て直し方
環境を変えずに解決できる余地が残っている場合、まずは小さな行動から立て直しを始めることをおすすめします。上司との面談で業務量や評価について具体的に相談する、興味のある別プロジェクトへの参加を希望する、社内の別部署の話を聞いてみるなど、今の会社の中でできることは案外多く残っています。行動を起こしてもすぐに状況が変わるとは限りませんが、何もせずに我慢を続けるよりも、納得感を持って今の場所にいられるようになると僕は感じています。
実際に、僕の周りでも、上司に業務量の偏りを思い切って相談したことをきっかけに担当業務が見直され、辞めたい気持ちが少しずつ和らいでいったという話を聞いたことがあります。相談したからといって状況が変わるとは限りませんが、伝えなければ状況が変わる可能性自体がゼロになってしまいます。まずは小さく声を上げてみることが、立て直しの最初の一歩になると僕は考えています。
ちなみに、朝どうしても会社に行きたくないという気持ちが続く場合は、立て直しを考える前に、その気持ち自体への向き合い方を先に整理しておいたほうがよいこともあります。この点については「会社に行きたくない」朝の気持ちを扱った記事で詳しく取り上げていますので、参考にしてみてください。
辞めると決めた場合の正しい順番
環境を変えても仕事そのものが合わない、あるいは今の会社での改善が難しいと判断した場合は、辞める前提で動くことになります。ここで大切なのは、勢いで退職を切り出すのではなく、在職中に次の動きを始めることです。在職中であれば、収入が途絶える不安を抱えずに、落ち着いて次の環境を探すことができます。次の行き先や当面の生活の目処が立ってから退職を伝えるという順番を意識するだけで、退職後の不安はかなり小さくできると僕は考えています。
具体的には、在職中に情報収集や書類の準備を始め、次の環境の候補がいくつか見えてきた段階で、引き継ぎにかかる期間や有給休暇の消化も含めて、退職のタイミングを逆算していくとよいでしょう。焦って先に退職を伝えてしまうと、収入が途絶える不安から、本来なら選ばないような選択を急いでしまうこともあります。順番を守ることは、遠回りのようで、実は自分の生活を守るための近道になると僕は考えています。
また、そもそも今の状況が転職によって解決できるものなのかどうか自体、判断に迷うこともあると思います。その場合は、転職すべきかどうかを整理するための記事を先に読んでみると、考えの整理がしやすくなるはずです。転職はあくまで選択肢の一つであり、今の悩みを解決する万能な手段ではありませんが、選択肢として検討する価値は十分にあります。
実際に退職を決めたあとの伝え方については、伝えるタイミングや言葉選びで気まずさが大きく変わってきます。この部分は退職の切り出し方をまとめた記事で詳しく解説していますので、辞めると決めたらあわせて確認してみてください。
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ただし、心や体にサインが出ているときは我慢を続けないでください
ここまでは、辞めたい気持ちを整理しながら考える方法についてお伝えしてきました。ただし、夜眠れない状態が続いている、食欲がわかない、理由もなく涙が出る、といったサインが出ている場合は、じっくり考える段階を飛ばして、まず休むことや相談することを優先してほしいと思っています。こうしたサインは、気合いや根性で乗り越えるものではなく、心と体が発している重要な合図だと言われています。
身近な人に相談しづらいと感じる場合は、厚生労働省が運営する「こころの耳」のような公的な窓口を利用するという方法もあります。一人で抱え込まず、専門の相談窓口を頼ることも、自分を守るための立派な選択です。
ここまで紹介してきた「事実と感情を書き出す」「会社の問題か仕事の問題かを整理する」といった方法は、あくまで気持ちに余裕があるときに役立つものです。心や体のサインが出ているときは、そうした整理を後回しにしてでも、まずは休息と相談を優先してください。家族や友人に話すだけでも気持ちが軽くなることがありますし、うまく言葉にできない場合は、無理に説明しようとせず、専門の窓口に頼ってもかまいません。
どらすた
また、辞めたい気持ちはあるのに転職を考えると怖くて動けない、という人には転職が怖くて動けない人へ|不安の正体と小さな一歩で、怖さの分解の仕方を書いています。
「辞めたい理由が逃げなんじゃないか」と自分を責めてしまう人は、「逃げの転職」はダメなのかで、逃げと撤退の区別について書いています。
今の状況を整理したい方へ
あなたは今、転職すべき?キャリア診断
8つの質問に答えると、いまのあなたが「土台づくり期」「助走期」「跳躍準備期」「環境見直し期」のどれに近いかがわかります。結果に応じて、次に読むとよい記事もご案内します。登録は不要です。
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