悩める会社員
どらすた
この記事は、仕事の質問を具体的な言葉にするためのガイドです。口頭やチャットでの例文、質問するタイミングの決め方、同じことをもう一度聞くときの伝え方まで整理しました。会話例は説明のための例であり、特定の人の体験談ではありません。
目次
何が分からないか分からないときの切り分け方
「この仕事が分かりません」を、まず次のどこに当てはまるかで分けてみます。複数に当てはまっても問題ありません。
| 止まっている点 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 完成形が見えない | 誰が何に使うものか。見本や前回の資料はあるか。 |
| 手順が分からない | どの資料・画面を使い、何から始めるか。 |
| 途中で結果が違う | どの操作までできて、どこから見本と違うか。 |
| 判断基準が分からない | 何を基準に選ぶか。誰の承認が必要か。 |
| 優先順位が決められない | 複数の依頼のうち、どれを先に進めるか。 |
例えば「資料作成が分からない」でも、操作方法を知らないのか、何を載せる資料なのかが分からないのかでは、教えてもらう内容が違います。前者なら作業画面、後者なら依頼文や見本を用意して相談します。
分類そのものが難しい場合は、無理に選ばず「依頼内容を自分の言葉で説明するので、理解がずれているところを教えていただけますか」と頼む方法もあります。
質問前のメモは、4つの項目で十分
長い相談文を作ろうとすると、準備だけで時間が過ぎてしまいます。まず次の項目を短く埋めてみてください。書けない項目があれば、それ自体が確認したい点になります。
- 目的:何を、いつまでに完成させる仕事か。
- 現在地:どこまで進んでいるか。
- 確認済み:どの資料や手順を見たか。
- 聞きたいこと:次の一歩、判断基準、完成形のうち何を確認したいか。
目的:金曜日までに会議用の月次集計を作る。
現在地:データの貼り付けまでは完了。
確認済み:前回のファイルと手順書の「集計」欄。
聞きたいこと:未確定データを集計に含める基準。
このメモなら、「Excelが分かりません」という大きな質問を、「未確定データの扱いを教えてください」という一つの確認にできます。
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質問するタイミングの決め方
質問の内容が整理できても、声をかけるタイミングに迷うことがあります。判断のポイントは次の3つです。
- 相手の状態を見る:電話中や会議の直前・直後を避け、手が空いていそうな時間を選びます。判断が難しいときは「今、少しお時間よろしいですか」と先に確認するだけでも十分です。
- 所要時間を伝える:「3分ほどいいですか」「5分ほど確認させてください」のようにかかる時間を添えると、相手も予定を調整しやすくなります。
- 急ぎのものとそうでないものを分ける:作業が止まっている急ぎの質問と、あとでまとめて聞いても支障のない質問を分けます。急ぎでないものはメモに残しておき、まとめて確認します。
一つ聞くたびに毎回声をかけるより、急ぎでない質問をためておいて一度にまとめて聞くほうが、相手の作業を止める回数も減らせます。
場面別:仕事での質問の仕方と例文
完成形から分からないとき
「依頼いただいた比較資料について、完成形を確認したいです。私は候補3社の費用と機能をまとめる資料と理解しました。会議では何を判断するために使いますか。近い見本があれば見せていただけますか」
最初から詳しい案を出せなくても、「こう理解した」と伝えれば、相手は違う部分を補えます。資料の使い道が分かると、作る必要のない項目も整理しやすくなります。
途中まではできたが、次に進めないとき
「申請入力の手順について確認したいです。手順書の3番まではできましたが、4番で選ぶ項目が画面にありません。いまの画面を見ていただき、手順が違うのか、権限などの確認が必要なのかを教えていただけますか」
何度も同じ操作を繰り返すより、止まった画面や手順番号を示すほうが説明しやすくなります。画面を送る場合は、社内で認められた手段を使い、必要のない顧客情報などを含めないようにします。
自分の考えがまだ作れないとき
「A案とB案のどちらを選ぶかで止まっています。費用を優先するのか、納期を優先するのかの基準が分からず、まだ自分の案を決められていません。今回の判断で一番重視する条件を確認できますか」
「自分の考えを持ってから質問する」を、根拠のない案を無理に出すルールにしなくて構いません。何が足りないために判断できないかを伝えることも、相談の準備です。
同じことをもう一度聞きたいとき
「先日教えていただいた集計について、メモを見返しましたが、例外の扱いを記録できていませんでした。通常のデータはAの処理で、取消分だけBに分ける理解で合っていますか。確認できたら手順に追記します」
前に聞いたことを覚えているなら、それを伝えたうえで、残っている不明点を絞ります。ただし、確認しないまま進める影響が大きい仕事で、「もう聞いたから」と質問を諦める必要はありません。
チャットで質問するとき
【確認依頼】月次集計の未確定データについて
金曜日の会議用資料を作成しています。前回資料と手順書は確認しましたが、未確定データを含める条件が分かりません。
現在は確定分だけを入力し、未確定分は分けて保留しています。今回は未確定分も含めて集計しますか。判断基準があれば、あわせて教えてください。
木曜日の確認に間に合わせたいので、本日中に確認できると助かります。
期限は相手を急かすためではなく、仕事の都合を共有するために書きます。返信が必要な時点と、最終提出期限を分けると調整しやすくなります。
相手の様子が見えないときの質問の仕方
在宅勤務やチャット中心のやり取りでは、相手が今どのくらい忙しいかが見えません。声をかけるタイミングを見計らうより、相手の都合のよいときに読んでもらえる形でメッセージを送るほうが向いています。
急ぎでない場合は「お手すきの際にご確認いただけますでしょうか」のように、いつ読んでもらっても構わないことを明記します。急ぎの場合は「本日17時までにご返信いただけると助かります」のように、返信してほしい時点を具体的な時刻で書きます。最終的な提出期限と、返信がほしい時点がずれる場合は、両方を分けて書くと相手が判断しやすくなります。
一定時間待っても返信がなく、作業が止まったままになりそうなときは、チャット以外の手段(電話や別の担当者への確認)に切り替える基準を、あらかじめ自分の中で決めておくと安心です。
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「自分で調べてから聞いて」「前にも言ったよね」と言われたときの受け答え
こうした言葉を受けたとき、謝るだけで終わらせると、相手はどこから説明すればよいか判断できません。責めるでも言い訳するでもなく、何を確認したか・どこで止まったかを短く伝えると、相手も次の一言を返しやすくなります。
「自分で調べてから聞いて」と言われたとき:
「すみません、手順書の3ページと前回のファイルは確認しました。4番の項目だけ画面上に見当たらず、判断がつかなかったのでお聞きしました」
「前にも言ったよね」と言われたとき:
「以前教えていただいたのは覚えているのですが、メモに記録が残っておらず確認したいです。次からは記録の残し方を見直します」
メモが残っていなかった場合は、「次から記録する」という一言を添えると、単なる謝罪で終わらず次につながります。記録の取り方は次の見出しでも触れます。
どこまで自分で調べてから聞けばいい?
すべての仕事に共通する「何分調べればよいか」という一律の正解はありません。調べる範囲は、締切、やり直しのしやすさ、判断を誤ったときの影響によって変わります。
社内の手順書や前回資料を見ても進めず、同じ場所を行き来しているなら、何を確認したかをまとめて相談します。次回から迷わないよう、担当者に「この作業では、どの段階で相談するのがよいですか」と確認しておくと役立ちます。
送信・承認・削除など取り消しにくい操作や、顧客への影響がある判断は、自己判断で試してから相談する進め方に向かないことがあります。職場の確認ルールを優先してください。
三条市の就労支援相談員のコラムでも、質問するタイミングを相手に確認することや、行き詰まったときの相談時点をあらかじめ上司と話し合う方法が紹介されています。参考:職場で、わからないことを質問できないあなたへ
質問が多すぎると思われないか不安なとき
質問の数を気にして、聞くのをためらうことがあります。ですが、確認せずに自己判断で進めた結果やり直しになったときの時間や、間違った状態のまま先に進んでしまった場合の修正コストと比べて考えてみると、判断がしやすくなります。
質問の数を減らそうとするより、質問の質を上げるほうが先です。この記事で紹介した「目的・現在地・確認済み・聞きたいこと」を整理してから聞けば、一つの質問で必要な情報がまとまり、聞き直しの回数自体が減ります。数を我慢して自己判断を増やすより、整理した状態で聞くほうが、結果的に質問の回数も手戻りの回数も抑えられます。
教わった後は、自分の言葉で確認して終える
説明を聞いて「分かりました」と答えた後、作業に戻るとまた迷うことがあります。質問の最後に、次の行動を短く言い直してみましょう。
「今回は未確定分を分けたまま提出し、備考欄に件数を書く、という理解で合っていますか」
手順を見せてもらった場合は、自分が操作し、止まる場所を確認してもらう方法もあります。ただし、本番データを変更する操作などは、実行してよい範囲を確認してから行ってください。
メモには答えだけでなく、どの条件でその答えを使うかを書きます。「Bにする」だけより、「取消分はB、通常分はA」のほうが後で判断しやすくなります。
- 条件:取消分のデータかどうか
- 答え:取消分はBの処理で集計する
- 確認日:8月20日、担当者に確認
記録の残し方全般は、仕事で使えるメモの取り方・まとめ方でも紹介しています。
質問しづらさが続くときは、聞き方以外も見直す
内容を整理しても、教える担当者が決まっていない、資料が古い、人によって説明が違うなど、自分の聞き方だけでは解決しない場合があります。
その場合は「うまく質問できません」だけで終わらせず、「AさんとBさんで手順の説明が違い、どちらを使うか判断できません。確認先を一人決めてもらえますか」のように、作業が止まる理由を共有します。
新入社員のミス全体を整理したい場合は、1年目に起きやすいミスと立て直し方を、上司とのやり取り自体が負担になっている場合は、上司との付き合い方も参考にしてください。
状況に応じて参考になる記事
- メモの取り方全般を見直したいときは、仕事で使えるメモの取り方・まとめ方
- 1年目に起きやすいミス全般を整理したいときは、1年目に起きやすいミスと立て直し方
- 上司との関係そのものが負担になっているときは、上司との付き合い方
- 確認したつもりが漏れてしまうことが多いときは、仕事のケアレスミスを仕組みで減らす方法
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今の状況を整理したい方へ
あなたは今、転職すべき?キャリア診断
8つの質問に答えると、いまのあなたが「土台づくり期」「助走期」「跳躍準備期」「環境見直し期」のどれに近いかがわかります。結果に応じて、次に読むとよい記事もご案内します。登録は不要です。
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