転職して慣れるまでがしんどい人へ|3か月・半年・1年で変わることと乗り切り方

転職して慣れるまでがしんどい人へ 3か月・半年・1年で変わることと乗り切り方

悩める会社員

転職して2か月がたちましたが、毎日ずっと気を張っていて、帰ると何もできません。覚えることが多すぎて、頭がいっぱいです。正直、前の職場のほうが楽だったなと思ってしまう自分もいます。この状態は、いつまで続くのでしょうか。

どらすた

毎日ご苦労さまです。慣れていない時期のしんどさは、気持ちが弱いからではなく、起きていることの量が多いからです。今日は、慣れない時期に何が起きているのか、慣れるまでの一般的な目安、しんどさを減らす順番、時期の問題か職場の問題かの見分け方、そして限界のサインと相談先まで、順番に整理していきます。

この記事では、転職後に「慣れるまでの期間」と「その間の乗り切り方」を扱います。ミスが続く、怒られる、なじめない、仕事のレベルが高くてついていけない、といった個別の悩みは、それぞれ専門の記事に譲り、ここではリンクでご案内します。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の状況に置き換えて読んでください。

慣れない時期に、頭と体の中で起きていること

転職したばかりの時期がつらいのは、新しく覚えることが「仕事」だけではないからです。実際には、次の3つを同時に覚えています。

  • 環境:通勤経路、席の位置、社内システム、申請の手順、昼休みの過ごし方。
  • 人:誰が何の担当で、誰に何を聞けばよいか。話しかけてよいタイミングや、人ごとの話し方の癖。
  • 仕事:業務の流れ、専門用語、ツールの使い方、その会社独自のやり方。

同じ職場に長くいる人は、この3つをほとんど意識せずに使っています。新しく入った人だけが、全部を頭で考えながら動いています。これは、毎日が小さな初めての連続になっているということです。疲れるのは自然なことです。

たとえば、朝に出社してから昼までの間にも、次のような小さな「初めて」が続きます。例です。

  • どの引き出しに何が入っているのか分からず、探すのに時間がかかる。
  • メールの書き出しや敬称が、前の職場と違って迷う。
  • 会議で出てきた略語の意味が分からず、聞くタイミングも測れない。

一つひとつは小さなことでも、数が多いので、夕方にはぐったりしてしまいます。

判断の基準がまだない

前の職場では、「これは確認しなくていい」「これは先に報告したほうがいい」といった判断が、自然にできていたはずです。新しい職場には、その基準がまだありません。そのため、本来なら迷わない場面でも一つひとつ考えることになり、頭の疲れがたまりやすくなります。

この「迷う回数の多さ」は、慣れるにつれて少しずつ減っていきます。能力の問題ではなく、基準を集めている途中だと考えてみてください。

気の張りで、見えないところが消耗する

もう一つは、気を張り続けることによる消耗です。初対面の人に囲まれ、失敗できないと思いながら過ごすと、体を動かしていなくても疲れます。帰宅後に何もできなくなるのは、怠けているのではなく、日中にすでに力を使い切っているからです。

悩める会社員

頭では分かっても、周りは普通に働いているように見えて、自分だけ遅れている気がします。

どらすた

周りの人は、もう慣れた状態で働いているので、そう見えるだけです。スタート地点が違う人と比べるのは、あまり意味がありません。次は、慣れるまでの一般的な目安を見ていきましょう。

慣れるまでの期間の目安|1か月・3か月・半年・1年

ここで紹介するのは、あくまで一般的な目安です。職種、会社の規模、前職との違いの大きさ、教わる体制によって、慣れるまでの速さは大きく変わります。「この時期までに、こうなっていなければいけない」という基準ではありません。自分の位置を確かめるための、ゆるい地図として使ってください。

1か月ごろ:とにかく情報が多い時期

最初のひと月は、環境と人を覚えるだけで精一杯になりやすい時期です。仕事の中身も、見よう見まねで進めることが多く、「何が分からないのかも分からない」状態になりがちです。この時期に疲れ切っているのは、ごく自然な状態です。

3か月ごろ:全体の流れが見え始める時期

3か月ほどたつと、業務の大きな流れや、人の担当が少しずつ分かってきます。一方で、最初の緊張がほどけて、疲れが一気に出たり、前の職場と比べて落ち込んだりしやすい時期でもあります。「慣れたはずなのにしんどい」と感じるのは、珍しいことではありません。

半年ごろ:自分で判断できる場面が増える時期

半年ほどたつと、「これは聞かなくても進められる」「これは確認が必要」という判断が、少しずつできるようになります。一年を通した業務の流れの一部を経験し始める人もいます。迷う回数が減ると、日中の消耗も軽くなることがあります。

1年ごろ:一通りの流れを経験する時期

1年たつと、年間の繁忙期や行事など、その会社の一巡を経験します。これで初めて「この職場の普通」が体で分かるようになる、という人もいます。ここまでかかるのは、遅いわけではありません。

どの時期も、「この時期に楽になる」と決めつけすぎないことが大切です。ひと月ごとに少しずつ、迷う回数が減っていく様子を、自分なりに確かめてみてください。急に楽になる日が来るというより、気づいたら前より楽になっていた、という形で変わっていくことが多いようです。

繰り返しになりますが、これは目安です。もっと早く楽になる人もいれば、時間がかかる人もいます。時間がかかっていることは、そのまま能力の評価にはなりません。

しんどさを減らす順番

慣れるまでの時間そのものは、短くしにくいものです。ですが、その間のしんどさは、やり方で軽くできる部分があります。優先度の高い順に、4つお伝えします。

まず、覚えることを3つに絞る

全部を一度に覚えようとすると、頭が飽和します。今週覚えることを、3つだけに絞ってみてください。たとえば次のようなものです。

  • よく関わる人の名前と担当。
  • 毎日使うシステムの基本操作。
  • 毎日の仕事の大まかな流れ。

これ以外は、今週は「見ているだけ」で構いません。覚えきれなかったことは、メモに書いて、あとで見返せば十分です。メモの残し方に悩んでいる場合は、仕事が覚えられないときの記事もあわせて参考にしてください。

帰宅後の回復を最優先にする

慣れない時期は、帰宅後に自己啓発や勉強をがんばろうとしなくて大丈夫です。この時期の優先順位は、日中に使い切った力を戻すことです。

  • 帰ったら、まず座って何もしない時間を少し取る。
  • 夕食と入浴は、完璧でなくてよい。簡単なもので済ませる。
  • 寝る前のスマホを減らし、睡眠時間を確保する。
  • 休日の予定を詰めすぎず、1日は何もしない日を作る。

たとえば、帰宅後に何もできない自分を責めてしまう日は、「今日は座れたからそれで十分」と区切ってしまって構いません。やることを増やすより、減らすほうが先です。

回復が追いつかないまま走り続けると、慣れる前に消耗しきってしまいます。休むことは、慣れるための準備です。

前の職場との比較をやめる

「前のほうが楽だった」と感じるのは、とても自然なことです。前の職場では、あなたは仕事も人も分かっている側でした。比べているのは、慣れた状態の前職と、慣れていない状態の今です。条件が違うので、比べると、今のほうがどうしても苦しく見えてしまいます。

比較が浮かんだときは、否定せず「今は慣れていない時期だから、そう感じるんだな」と受け止めて、そのまま流してください。前職を思い出すこと自体は悪いことではありません。比べて自分を責めるところまで進まなければ十分です。

週に1回だけ振り返る

毎日振り返ろうとすると、それ自体が負担になります。週に1回、5分程度で十分です。「できるようになったこと」を中心に、次のような形で書き出してみてください。

週1回の振り返りメモの例

今週できるようになったこと:〇〇のシステムで、自分で申請ができた。
まだ分からないこと:〇〇の判断基準。来週、先輩に聞く。
今週のしんどかったこと:火曜日の会議で緊張した。
来週覚えること(3つまで):〇〇さんの担当、〇〇の手順、〇〇の用語。

慣れている最中は、できるようになったことが見えにくいものです。書き出しておくと、数週間後に読み返したときに、「ここまで来たんだな」と気づけます。これは、自分の進み具合を確かめる材料にもなります。

悩める会社員

時間がたてば慣れるのだと思いたいのですが、この職場が合っていないだけではないか、という不安もあります。

どらすた

その不安はもっともです。ここは、時期の問題なのか、職場の問題なのかを分けて考えると整理しやすくなります。目安を一覧にしますので、一緒に見てみましょう。

慣れないのは「時期の問題」か「職場の問題」かの見分け方

慣れないと感じる原因には、時期の問題と、職場の側の問題があります。どちらかを一人で断定するのは難しいので、次の目安を、自分の状況を整理するために使ってください。

時期の問題か、職場の問題かの目安
  • 時期の問題に近い:1週間単位で見ると、できることが少しずつ増えている。
  • 時期の問題に近い:疲れは強いが、休日にある程度は回復できる。
  • 時期の問題に近い:質問すれば、短くても答えが返ってくる人がいる。
  • 職場の問題かもしれない:質問しても答えてもらえない状態が続き、仕事を覚える手がかりがない。
  • 職場の問題かもしれない:聞いていた仕事内容や働き方と、実際が大きく違う。
  • 職場の問題かもしれない:休日も回復せず、日曜の夜から強い不調が出る状態が続いている。

時期の問題に近い項目が多いなら、前の章の順番で、しんどさを減らしながら時間を味方につけるのがひとつの方法です。職場の問題かもしれない項目が当てはまるなら、慣れの問題だけで片づけず、周りに状況を伝えることも視野に入れてください。

個別の悩みについては、それぞれの記事で詳しく扱っています。ミスが続いていることがつらい場合は転職後にミスが続くときの記事、怒られることがつらい場合は転職後に怒られてつらいときの記事、職場になじめない、孤立していると感じる場合は転職後に孤立しているときの記事、周囲のレベルが高くてついていけないと感じる場合は転職先のレベルが高いと感じるときの記事を読んでみてください。

限界のサインと相談先

慣れの途中でも、次のような状態が続いているときは、時間が解決するのを待つ段階ではありません。

  • 眠れない、または朝に起きられない状態が、何週間も続いている。
  • 食欲がない、動悸がするなど、体の不調が続いている。
  • 休日も何も楽しめず、仕事のことが頭から離れない。
  • 出社の前に、涙が出たり、強い恐怖を感じたりする。

こうした状態が、病気によるものかどうかは、このブログでは判断できません。気になる場合は、早めに医療機関や専門の窓口に相談してください。厚生労働省のこころの耳では、働く人のメンタルヘルスについての情報提供と、相談窓口の案内を行っています。

辞めたいと思う気持ちが強くなっている場合は、試用期間中に辞めたいときの記事が参考になります。会社に行きたくない気持ちが重いときは、会社に行きたくないときの記事もあわせて読んでみてください。続ける、環境を変える、転職する、のどれも選べる選択肢です。急いで結論を出さなくて構いません。

悩める会社員

まずは、覚えることを絞って、帰ったらしっかり休むところから始めてみます。

どらすた

それで十分です。慣れる前は、うまくやろうとするほど疲れます。できる範囲で進めば、それで大丈夫です。

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状況に応じて、次に読む記事

今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。

どらすた

慣れないしんどさは、新しい場所で頑張っている証拠でもあります。覚えることを絞り、休むことを優先し、前職との比較は軽く流してください。それでも苦しさが続くときは、一人で抱えず、周りや相談先に話してくださいね。

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