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リサーチとは?意味をわかりやすく解説

リサーチとは物事を調べ、集めた情報を分析することです。ビジネスでは意思決定の材料を集めるために行う調査・研究全般を指します。
「なんとなくよさそうだから」で商品やサービスを作ってしまうと、お客さんが本当に求めているものとずれてしまうことがあります。リサーチは、そのずれを事前に減らすための作業です。
市場の動き、競合の動き、お客さんの声。これらを調べずに判断すると、思い込みだけで進めることになります。リサーチは、思い込みと事実を切り分けるための手段だといえます。
新しい商品を企画するとき、既存サービスを改善するとき、広告のターゲットを決めるときなど、リサーチが必要になる場面はビジネスのあらゆる工程に登場します。企画の入り口だけでなく、施策を実施したあとに結果を振り返る場面でもリサーチは使われます。「やって終わり」ではなく、調べる→試す→また調べるという繰り返しの中に組み込まれているのが実務上の特徴です。
リサーチ=調べて集めた情報を、判断に使える形に整理すること
「リサーチ」という言葉は英語の research に由来します。re(繰り返し)と search(探す)が組み合わさった言葉で、「何度も探し直す」「注意深く調べる」というニュアンスを持っています。一度調べて終わりではなく、必要に応じて調べ直す姿勢が、もともとの語源にも表れています。
一回きりの調査で完璧な答えが得られることは多くありません。市場やお客さんの状況は時間とともに変わっていくため、以前に調べた内容が今も正しいとは限らないからです。定期的に調べ直し、状況の変化を捉え続けることも、リサーチという言葉が本来持っている意味に含まれています。
ビジネスにおけるリサーチの種類
リサーチと一口に言っても、目的や対象によっていくつかの種類に分けられます。ここでは代表的な4つを紹介します。
市場調査(マーケットリサーチ)
市場調査は、業界全体の動きや市場規模、成長性などを把握するためのリサーチです。新しい事業を始めるときや、既存事業の方向性を見直すときに行われます。市場全体を俯瞰する視点が必要になるため、公的な統計データや業界レポートなどを参照することが多くなります。
競合調査
競合調査は、同じ市場で戦っている他社の商品やサービス、価格帯、打ち出し方などを調べるリサーチです。自社の立ち位置を客観的に把握するために行います。競合の強みや弱みを整理することで、自社が力を入れるべきポイントが見えやすくなります。比較する項目をあらかじめ決めておくと、複数の競合を並べたときに違いが見えやすくなります。
ユーザー調査
ユーザー調査は、実際に商品やサービスを使う人、使う可能性がある人を対象にしたリサーチです。ユーザー調査には、大きく分けて定量調査と定性調査の2つのアプローチがあります。
定量調査は、アンケートなどを通じて数値で傾向をつかむ方法です。「どのくらいの人が」「どの選択肢を」といった全体の傾向を把握しやすいのが特徴です。一方、定性調査はインタビューや観察を通じて、数値には表れにくい理由や背景を深く掘り下げる方法です。「なぜそう感じたのか」を知りたいときに向いています。どちらか一方だけでなく、両方を組み合わせて使うことも少なくありません。
デスクリサーチとフィールドリサーチ
リサーチの手法は、情報の集め方によっても分けられます。デスクリサーチは、すでに公開されている資料やデータを机の上で調べる方法です。統計データ、業界レポート、競合のウェブサイトなどが対象になります。短時間で全体像をつかみやすい一方、自社の課題にぴったり合う情報が見つからないこともあります。
フィールドリサーチは、現場に出向いてアンケートやインタビュー、観察などを行う方法です。手間や時間はかかりますが、既存の資料には載っていない情報を得られる可能性があります。多くの場合、まずデスクリサーチで全体像をつかみ、足りない部分をフィールドリサーチで補うという進め方がとられます。
これら4つの種類は、それぞれ独立しているわけではありません。たとえば市場調査の中でデスクリサーチとフィールドリサーチの両方を使う場合もありますし、競合調査の一環としてユーザー調査を行うこともあります。目的に応じて、複数の種類や手法を組み合わせながら進めるのが実務での一般的なやり方です。
リサーチの進め方
リサーチは、やみくもに情報を集めればよいというものではありません。実務では、次のような流れで進めることが多くなります。
目的を先に決める
まず、何のためにリサーチをするのかをはっきりさせます。「新商品の価格帯を決めるため」「既存サービスの離脱理由を知るため」など、目的が具体的であるほど、集めるべき情報も絞り込みやすくなります。目的があいまいなまま調査を始めると、情報を集めたあとで「結局これで何がわかったのか」がわからなくなりがちです。誰が、いつまでに、その結果をどう使うのかをあわせて決めておくと、調査の途中で方向がぶれにくくなります。
仮説を持つ
次に、ある程度の仮説を立てておきます。「価格が高いと感じているのではないか」「使い方がわかりにくいのではないか」といった仮のあたりをつけてから調べることで、確認すべきポイントが明確になります。仮説なしに調べ始めると、情報量が多くなるわりに、判断に使える形にまとまりにくくなります。
情報源の信頼性を確かめる
集めた情報がどこから出ているのかを確認することも欠かせません。情報源には、大きく分けて一次情報と二次情報があります。一次情報は、自分自身でアンケートやインタビューを行って得た、他の誰も加工していない情報です。二次情報は、すでに誰かがまとめたり分析したりした情報で、業界レポートやニュース記事などが該当します。
二次情報は手軽に集められる分、発信元や調査時期によって信頼性に差があります。誰が、いつ、どのような方法で調べたものかを確認したうえで使うことが大切です。一次情報と二次情報のどちらかに偏らず、両方をあわせて判断材料にする進め方が現実的です。
結果を共有し、次の行動につなげる
集めて分析した情報は、自分の中だけで終わらせず、関係者に共有することも重要な工程です。リサーチの結果を報告書や資料の形にまとめ、何がわかったのか、そこから何をすべきかを言葉にして伝えることで、はじめてチーム全体の意思決定に活かせるようになります。せっかく時間をかけて調べても、共有されなければ次のアクションにはつながりません。
やりがちな失敗
リサーチにはいくつかの陥りやすいパターンがあります。
一つは、情報を集めるだけで終わってしまうことです。アンケートを実施したりデータを集めたりしたこと自体に満足してしまい、それを分析して次のアクションに結びつける作業まで進まないケースは少なくありません。リサーチは、集めた情報を判断や行動につなげてはじめて意味を持ちます。
もう一つは、自分にとって都合のよい情報だけを拾ってしまうことです。「こうであってほしい」という結論に合う情報ばかりを集め、それに反する情報を軽視してしまう傾向を確証バイアスと呼びます。確証バイアスについてはバイアスの記事で詳しく解説していますが、リサーチにおいては特に注意したいポイントです。仮説を持つこと自体は大切ですが、その仮説を裏づける情報だけでなく、反する情報にも目を向ける姿勢が求められます。
もう一つ挙げるとすれば、対象者や情報源が偏ったまま調査を進めてしまうことです。たとえば身近な人にだけ意見を聞いて「お客さん全体の声」として扱ってしまうと、実際の市場とはずれた結論にたどり着く恐れがあります。誰を対象に、どのような方法で情報を集めたのかを意識しておくことが、リサーチの精度を保つうえで欠かせません。
会話例文
「新商品を出す前に、ターゲット層のニーズをリサーチしておこう」
「競合他社の価格帯をリサーチしたところ、当社より安めの設定が多いことがわかった」
「今回のリサーチは定性調査が中心だったので、次は定量調査で裏づけを取りたい」
「デスクリサーチだけでは限界があるので、実際にユーザーへのヒアリングも行う予定です」
「そのデータ、一次情報ですか、それとも二次情報ですか。出典をリサーチしておいてください」
類語との違い
リサーチと似た言葉に、調査、研究、サーベイ、分析などがあります。
「調査」はリサーチとほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。日本語として自然に使えるため、社内資料などでは「調査」と表記されることも多くあります。
「研究」は、より学術的・専門的なニュアンスを持つ言葉です。ビジネスの現場では、研究というと開発部門や学術寄りの活動を指すことが多く、市場や顧客を対象にした調査全般を指す場合は「リサーチ」が使われやすい傾向があります。
「サーベイ」は、リサーチの中でも特にアンケートなど数値を集める調査を指すことが多い言葉です。リサーチが調査全体を指す広い言葉であるのに対し、サーベイはその一部の手法を指すイメージに近くなります。
「分析」は、集めた情報を整理し、そこから傾向や意味を読み取る作業を指します。リサーチが情報を集めて分析するまでの一連の活動を指すのに対し、分析はそのうちの「情報を読み解く」部分にあたります。リサーチの中に分析が含まれる、という関係で捉えると整理しやすくなります。
こうして並べてみると、リサーチはこれらの言葉をゆるやかに包み込む、比較的範囲の広い言葉だといえます。会話や資料の中でどの言葉を使うか迷ったときは、対象が学術的な内容かどうか、数値中心の調査かどうかといった観点で使い分けると伝わりやすくなります。厳密な区別が求められる場面は少ないため、まずはリサーチという言葉で全体を指し、必要に応じて調査、研究、サーベイ、分析といった言葉で具体的に補うくらいの感覚でも実務上は困りません。
関連用語
リサーチと合わせて確認しておくと理解が深まる用語を紹介します。
- マーケティング:市場調査を含む、商品やサービスを売れる仕組みづくり全体を指す言葉です
- エビデンス:主張や判断の裏づけとなる根拠のことで、リサーチによって得られることが多いものです
- バイアス:確証バイアスをはじめ、リサーチの結果を読み違えさせる思考の偏りについて解説しています
- ニーズ:ユーザー調査を通じて明らかにしたい、お客さんが求めているものを指す言葉です
- ベンチマーク:競合調査などで比較の基準として使われる指標のことです
- ヒアリング:フィールドリサーチの代表的な手法のひとつで、相手から直接話を聞くことです
ほかのビジネス用語はビジネス用語集一覧から探せます。
まとめ
リサーチとは、意思決定のために情報を集め、分析することです。市場調査、競合調査、ユーザー調査など目的に応じた種類があり、進め方としては目的を先に決め、仮説を持ち、情報源の信頼性を確かめることが大切になります。集めるだけで終わらせず、都合のよい情報だけを拾う確証バイアスにも注意しながら、判断や行動につながるリサーチを心がけたいところです。
「ターゲットをリサーチして」と言われたときは、単に情報を検索することではなく、目的を持って調べ、その結果を分析し、次の判断材料として使える形にまとめるところまでが求められていると考えると、実務での動き方がイメージしやすくなります。調べる範囲や手法に迷ったときは、今回紹介した種類や進め方を手がかりにしてみてください。
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