転職先が聞いていた話と違う人へ|ずれの種類の見分け方と、続けるか決める順番

転職先が聞いていた話と違う人へ ずれの種類の見分け方と続けるか決める順番

転職して少し経つのに、面接や求人票で聞いていた話と、実際の仕事が違う。そんな戸惑いを抱えている人に向けて、この記事を書きました。

  • 面接で聞いた仕事内容と、実際に任されている仕事が違う。
  • 残業はほとんどないと聞いていたのに、毎日のように遅くなる。
  • 給与や手当、配属先が、求人票の記載と合わない気がする。
  • 騙されたようで悔しい。でも、すぐ辞めていいのかも分からない。

この記事では、「話が違う」と感じたときに、そのずれがどの種類なのかを見分ける方法と、続ける・交渉する・辞めるを比べる順番を扱います。試用期間で辞めたい気持ちが中心の方は試用期間で辞めたいときの記事、短期離職そのものの不安は短期離職の記事で詳しく扱っています。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の状況に置き換えて読んでください。

「話が違う」には四つの種類がある

一言で「聞いていた話と違う」といっても、中身は一つではありません。種類によって、確認する先も、取れる動き方も変わります。まずは次の四つのどれに近いかを考えてみてください。

書面の条件と違う

求人票や労働条件通知書、雇用契約書といった書面に書かれた内容と、実際の扱いが違うケースです。給与の額、勤務地、勤務時間、仕事内容、休日などが当てはまります。書面という証拠があるので、四つの中では事実を確認しやすい種類です。

面接での口頭説明と違う

面接で「残業は少ないですよ」「入社後すぐ企画に関われます」と聞いたのに、現実は違った、というケースです。書面に残っていないため、言った言わないの話になりやすく、確認が難しい種類です。

自分の受け取り方とのずれ

相手は事実を伝えていたものの、自分が期待を込めて受け取っていた、というケースです。たとえば「裁量がある」という言葉を、自由に進められると理解していたが、実際は報告や承認が多かった、という場合です。誰かが悪いとは限らない種類です。

入社後の事情変更

入社時点では説明どおりだったものの、その後に組織変更や人員の変動があり、担当や働き方が変わったケースです。会社側の事情で変わっていても、本人にとっては「話が違う」と感じやすい種類です。

実際には、二つ以上が混ざっていることもよくあります。ここで大切なのは、感情のまま「全部が嘘だった」と決めつけず、一つずつ切り分けて見ることです。切り分けると、怒りや不安が少し整理され、次に何をすればいいかが見えてきます。

悩める会社員

面接では、残業は月にほとんどないと聞いていました。でも実際は、毎日のように遅くまで残っています。騙されたのか、自分が聞き違えたのか、もう分からなくなってきました。

どらすた

その混乱は自然なものです。気持ちが揺れているときほど、結論を急がないほうが安全です。まずは手元の書面を見返して、「書いてあったこと」と「聞いたこと」と「起きていること」を分けるところから始めましょう。

まず確認すること:書面を見返して、記録を残す

誰かに話をする前に、自分一人でできる確認があります。感情が先に立っていても、事実を並べておくと、後の話し合いも相談もしやすくなります。

手元の書面を見返す

入社時にもらった労働条件通知書や雇用契約書、応募したときの求人票を探してください。求人票は、ウェブ上のものなら画面を保存しておくと安心です。見るのは次の点です。

  • 仕事内容や配属先は、どう書かれているか。
  • 勤務時間、休日、残業の扱いは、どう書かれているか。
  • 給与の内訳や手当、試用期間の扱いは、どう書かれているか。

書面を読んでみて、実は書いてあったのに自分が見落としていた、ということも珍しくありません。その場合は、三つ目の「自分の受け取り方とのずれ」に近いことになります。それが分かるだけでも、会社への不信感が必要以上に膨らむのを防げます。

実際に起きていることを記録する

次に、実際の状況を記録します。大げさなものは要りません。日付と事実を、短く残せば十分です。

  • 実際の出退勤の時間(自分のメモやアプリの記録でも構いません)。
  • 任された仕事の内容と、依頼してきた人。
  • 面接で聞いた説明と、誰がいつ言ったかの覚えている範囲。
  • 上司や人事とのやり取りの日付と内容。

記録は、会社と争うためだけのものではありません。自分の頭の中の「なんとなくつらい」を、事実に変えるための作業です。その後に相談する場面でも、「いつ、何が、どう違ったか」を落ち着いて説明できます。

上司や人事に確認するときの切り出し方

書面と実態を整理したら、次は会社に確認します。「話が違う」と最初から責める形で伝えると、相手は身構えてしまいます。最初の目的は、相手を問い詰めることではなく、事実と今後の見通しを確認することです。

そのため、切り出し方は「確認したい」「認識を合わせたい」という姿勢が向いています。時間をとってもらえるよう、事前に短く声をかけておくと落ち着いて話せます。

確認の切り出し方の例

「入社時にいただいた労働条件通知書では、〇〇という内容だったのですが、現在は△△の業務が中心になっています。認識が合っているか、確認させていただけないでしょうか」

「面接では、残業は少ないと伺っていました。実際の状況と今後の見通しについて、教えていただけますか」

「配属について、入社前に聞いていた内容と違いがあるように感じています。今後変わる可能性があるのか、このままなのか、お聞きしたいです」

例文はそのまま使わず、自分の職場の言葉や相手との関係に合わせて調整してください。話した内容は、後で日付つきでメモに残しておきます。相手の答えが「確かに説明が足りなかった」「今は一時的な体制で、数か月後に戻る予定」といったものなら、続けて様子を見る判断もしやすくなります。逆に、説明が曖昧なまま、あるいは取り合ってもらえないまま日が過ぎるなら、それも一つの判断材料です。

悩める会社員

上司に聞いたら、文句を言う人だと思われないでしょうか。入社して間もないのに、と気になります。

どらすた

その心配はもっともです。ただ、条件の認識を合わせる確認は、わがままではなく、働くうえで必要な話です。責める言い方を避けて、事実と見通しを聞く形にすれば、伝わり方はかなり変わります。

書面の条件と違うときの、一般的な考え方

ここからは、先ほどの一つ目、書面に書かれた労働条件と実態が違う場合の一般的な枠組みです。ただし、このブログは法律の専門家ではなく、個別の状況について良し悪しを判断することはできません。

一般的には、会社が働く人に労働条件を明示することには、法律上の決まりがあります。そして、明示された労働条件が事実と異なる場合にも、法律上の取り決めがあります。たとえば、そうした場合に労働者が契約を解除できる、という趣旨の定めがあるとされています。ただし、実際にその場面に当たるかどうかは、書面の内容、違いの程度、これまでの経緯などによって変わります。

ですので、自分のケースがどれに当たるかは、一人で決めないでください。個別の状況は、後で紹介する総合労働相談コーナーなどの窓口で確認できます。相談するときも、先ほど作った書面と記録がそのまま役に立ちます。

なお、二つ目の口頭説明との違いや、三つ目の受け取り方のずれは、書面と違って判断が難しくなります。その場合も、まずは記録を整え、会社への確認と外部の窓口への相談を組み合わせて考えるのが現実的です。

続ける・交渉する・辞めるを並べて比べる順番

事実が整理できたら、動き方を決めます。「辞めるか、我慢するか」の二択に見えがちですが、実際には選択肢はもう少しあります。次の順で並べて比べてみてください。

比べる順番の目安
  • ずれの内容は、変えてもらえる可能性があるか(一時的なものか、構造的なものか)
  • 変えてもらえない場合、続けても自分が納得できる部分は残っているか
  • 体調や生活に、すでに負担が出ていないか
  • 辞める場合、次に何を大切にして選びたいかが言葉にできているか

続ける

ずれがあっても、仕事で身につくことや人間関係など、残したい部分があるなら、続ける選択は十分に成り立ちます。ただ「我慢して続ける」ではなく、「期限を決めて様子を見る」形にすると、先が見えない不安は小さくなります。たとえば、数か月後にもう一度書面と実態を見比べる、と決めておく方法です。

交渉する

先ほどの切り出し方で確認した結果、変えてもらえそうな部分があるなら、配属の見直しや業務内容の調整、働き方の相談といった形で、条件のすり合わせを試す道があります。交渉と聞くと大げさですが、「どうなればこのまま働けるか」を伝える程度の話でも構いません。

辞める

確認しても改善の見込みがない、書面と大きく違い続けている、体調に影響が出ている。そうした場合は、辞めることも正当な選択肢です。ただし、勢いで決めると、次の職場でも同じ後悔を繰り返すことがあります。辞めるなら、次に選ぶ基準を先に言葉にしておくことが大切です。転職の後悔全般については転職を失敗したと感じたときの記事で、逃げるような転職になってしまう不安は逃げの転職が気になるときの記事で扱っています。

試用期間中の場合の考え方

試用期間中は、会社の側も本人の側も、お互いに合うかどうかを見ている時期です。そのため「辞めにくい」と感じる人もいれば、「今ならまだ動きやすい」と感じる人もいます。ここで大切なのは、試用期間だからといって、条件のずれを黙って飲み込む必要はないということです。逆に、試用期間だから何をしても問題ない、とも言い切れません。

試用期間中の扱いは、会社の就業規則や契約の内容によって異なります。気になる点があれば、書面を見返し、人事や総合労働相談コーナーで確認してください。辞めたい気持ちが強い場合の進め方は、試用期間で辞めたいときの記事に詳しくまとめています。

一人で抱えないための相談先

会社に確認しても納得できる答えが得られない、そもそも会社には話しにくい。そんなときは、外部の窓口を使えます。

  • 総合労働相談コーナー:都道府県労働局に設けられている窓口で、労働条件や職場のトラブルについて相談できます。相談は無料で、会社を通さずに利用できます。書面と実態の違いが気になるときは、書面や記録を持って相談すると、話が早く進みます。
  • こころの耳:厚生労働省が運営する、働く人のメンタルヘルスのための情報や相談の窓口です。ずれが続いて眠れない、気持ちが沈むといったときに、体と心の状態を確認する入口になります。

どの窓口に行けばいいか迷う場合は、まず総合労働相談コーナーで状況を話してみるとよいでしょう。個別の判断は、窓口の担当者が事情を聞いたうえで案内してくれます。身近な人に話を聞いてもらいたいときは、転職の相談相手の選び方の記事も参考にしてください。

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状況に応じて、次に読む記事

今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。

どらすた

聞いていた話と違うと感じたとき、騙された気持ちと迷いが同時に来るのは、自然なことです。まずはずれの種類を分け、書面を見返して、記録を残してください。そのうえで、続ける、交渉する、辞めるを落ち着いて並べて比べれば大丈夫です。判断が難しいときは、一人で決めず、外部の窓口に状況を伝えてくださいね。

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