悩める会社員
どらすた
目次
試用期間中に「辞めたい」と感じるのは、珍しいことではありません
入社してまだ数週間から数ヶ月というタイミングで「辞めたい」という気持ちが湧いてくること自体は、珍しいことではないと言われています。理由はいくつか考えられます。
まず、環境が一気に変わったことによる負荷です。人間関係も仕事の進め方も評価基準も、これまでとはまったく違うルールの中に放り込まれるわけですから、心身が疲れやすくなるのは自然な反応だと言えます。慣れた環境から慣れない環境に移った直後は、多少の消耗を感じるほうがむしろ自然だとも言えます。
次に、比較対象がまだ「前職」や「学生生活」のままになっているケースです。前の職場のやり方や、自由度の高かった学生時代の感覚がどうしても基準になってしまい、今の会社の当たり前とのギャップが大きく感じられることがあります。特に第二新卒として転職してきた場合は、前職での経験値がある分、今の職場のやり方に対して「前の会社ならこうだったのに」という違和感が強く出やすい傾向もあるようです。
さらに、試用期間というのはそもそも成果がまだ出にくい時期でもあります。仕事を覚えている最中で、自分の貢献を実感しづらいまま「向いていないのでは」と不安になってしまう、という流れも起こりやすいと言われています。
また、「試用期間だから多少つらくても我慢するのが当たり前」という空気を感じて、辞めたい気持ちを口に出せずに一人で抱え込んでしまう人も少なくないようです。ですが、試用期間中に感じる違和感や疲れを「我慢が足りないから」の一言で片づける必要はありません。まずは、なぜ辞めたいと感じているのかを言葉にしてみるところから始めてみましょう。
周りの同期がすでに仕事に慣れているように見えて、自分だけが取り残されているように感じてしまうこともあるかもしれません。ただ、慣れるスピードや不安の感じ方には個人差があると言われており、他人のペースと自分のペースを単純に比べても、あまり意味のある答えは出てこないことが多いです。今の自分の状態を、他人と比べるのではなく、少し前の自分と比べて眺めてみると、見え方が変わってくることがあります。
どらすた
「辞めたい理由」を3つに分けて整理する
試用期間中の「辞めたい」は、性質の違ういくつかの理由が混ざっていることがあります。ここを分けずに感情のまま判断してしまうと、あとで「もう少し様子を見ればよかった」あるいは「もっと早く動けばよかった」という後悔につながりやすくなります。焦って結論を出す前に、一度立ち止まって整理してみることをおすすめします。
慣れれば軽くなっていくかもしれないつらさ
業務の進め方がわからない、名前と顔が一致しない、質問するタイミングがつかめない、といった種類のつらさは、時間の経過とともに軽くなっていくことが多いと言われています。入社直後は誰もが「何もできない自分」に直面しやすく、そのこと自体が精神的な負荷になります。
この種類のつらさかどうかを見分けるひとつの目安は、「1ヶ月前と比べて、少しでもできるようになったことがあるか」を振り返ってみることです。小さな変化でも実感できているなら、慣れの範囲で改善していく可能性があります。反対に、何ヶ月経っても状況がまったく変わらず、むしろ負担が増えているように感じる場合は、単なる慣れの問題ではない可能性も視野に入れておいたほうがよさそうです。
入社前に聞いていた話と、実際の仕事内容や条件がずれているケース
求人票や面接で説明されていた業務内容、労働時間、待遇などと、実際に働き始めてからの実態が大きく異なっている場合は、慣れの問題では片づけられません。この場合は「自分が甘えているだけかもしれない」と抱え込まず、事実としてのズレを整理しておくことが大切です。
たとえば、聞いていた業務内容とまったく違う仕事を任され続けている、提示されていた条件と実際の給与や勤務時間が食い違っている、といったケースが該当します。こうしたズレは、時間が経てば解消するというより、会社の仕組みそのものに起因していることが多いため、慣れで乗り越えようとするより先に、事実関係を整理しておくほうが後々の判断がしやすくなります。
整理する際は、求人票や労働条件通知書、面接時のメモなど、記録として残っているものを手元に集めておくと、後で振り返るときにも、誰かに相談するときにも役立ちます。記憶だけに頼ると、時間が経つにつれて印象が曖昧になってしまうこともあるためです。
心や体に出ているサイン
眠れない、食欲がわかない、休日も仕事のことで気持ちが休まらない、といった変化が続いている場合は、慣れの問題や条件面の問題とは別に扱う必要があります。無理を重ねて我慢し続けることが、良い結果につながるとは限りません。
このタイプのサインが出ている場合、判断を急ぐよりもまず、体調や気持ちの回復を優先したほうがよい場面もあります。必要に応じて、心療内科や産業医、社内の相談窓口など、専門的に話を聞いてもらえる場所を頼ることも選択肢のひとつです。
この「辞めたい気持ちの正体」をもう少し丁寧に整理したい場合は、「辞めたい」気持ちを衝動か消耗かで整理する記事もあわせて読んでみてください。また、試用期間に限らず新入社員全般が感じやすいつらさについては、新入社員のつらさをまとめた記事で扱っています。
・その悩みは、仕事に慣れれば軽くなっていきそうか
・入社前に聞いていた条件や仕事内容と、実態はどれくらい違うか
・睡眠や食欲など、体調に変化が出ていないか
この3つの視点で振り返ると、今の「辞めたい」がどのタイプに近いか整理しやすくなります。
悩める会社員
試用期間中でも退職はできるのか
結論からいうと、試用期間中であっても労働者側から退職の意思を伝えること自体は法律上できるとされています。試用期間は「本採用するかどうかを見極める期間」であって、「辞める権利がない期間」ではないという整理です。
ただし、実際に動く前に確認しておきたいのが就業規則です。退職の申し出をいつまでに行うか、どのような手続きが必要かは会社ごとに定められていることが多く、試用期間中の扱いについて特別な記載がある場合もあります。雇用形態が正社員なのか契約社員なのかによっても、契約期間の考え方が変わってくることがあるため、あわせて確認しておくと安心です。
一方で、個別の状況によっては契約内容や事情が複雑に絡むこともあります。損害賠償のリスクの有無や、退職日をめぐる会社とのやり取りなど、判断に迷う点が出てきた場合は、自己判断だけで抱え込まず、都道府県労働局の総合労働相談コーナーのような公的な窓口に相談してみることをおすすめします。専門的な立場から状況を整理してもらえるだけでも、気持ちが落ち着くことがあります。
なお、試用期間中の退職と、会社側から本採用を見送られる場合とは、話の筋道が異なります。ここで扱っているのはあくまで労働者側から退職を申し出るケースについての一般的な整理であり、会社側からの対応をめぐって疑問や不安がある場合は、そのケースに応じて別途情報を集めたり、窓口に相談したりすることをおすすめします。
また、有給休暇の扱いや退職時の書類のやり取りなど、細かい実務面で気になる点が出てくることもあります。こうした点も、就業規則や雇用契約書を見返す、あるいは窓口に問い合わせるといった形で、一つずつ事実を確認しながら進めていくのが安心です。
退職を実際にどう切り出すか、誰にどんな順番で伝えるかといった具体的な進め方については、退職の切り出し方をまとめた記事で詳しく扱っていますので、動き方の段階になったらあわせて確認してみてください。
どらすた
続けるか、辞めるか。判断のための動き方
続けると決めるなら、期限を自分で区切る
「なんとなく様子を見る」という状態を続けてしまうと、悩みがずるずる長引きやすくなります。続ける方向で考えるなら、「あと1ヶ月は今のやり方を試してみる」「試用期間が終わるタイミングでもう一度振り返る」というように、自分の中で期限を決めておくと判断がしやすくなります。
期限を決める際は、「何が改善していたら続ける」「何が変わっていなかったら辞める方向で動く」という具体的な基準もあわせて考えておくと、期限が来たときに迷いにくくなります。たとえば「特定の業務に一人で対応できるようになっているか」「上司や先輩に相談しやすい関係ができているか」といった、自分なりに確認できる項目を書き出しておくのもひとつの方法です。
期限を決めたら、できれば誰か一人にでもその内容を話しておくと、一人で抱え込みすぎずに済みます。家族や友人、前職の同僚など、利害関係のない相手に話すことで、自分では気づきにくかった視点が得られることもあります。
辞めると決めたら、動く順番を整えておく
辞める方向で動くと決めた場合は、感情のまま動くのではなく、就業規則の確認、上長への伝え方、退職日の調整、必要であれば次の動き方の準備といった順番を整理してから進めると落ち着いて対応しやすくなります。
特に、退職の意思を伝える相手やタイミング、伝え方によって、その後のやり取りがスムーズに進むかどうかが変わってきます。準備を整えないまま感情的に伝えてしまうと、後になって「もっとうまく進められたはず」と感じることもあるため、動く前の段取りは意識しておきたいところです。
また、辞めると決めた後も、引き継ぎや残っている業務の整理など、やっておいたほうがよいことがいくつか出てきます。すべてを完璧に片づけようとする必要はありませんが、対応できる範囲で誠実に進めておくと、退職までの期間を落ち着いて過ごしやすくなります。
試用期間中の退職では、在籍期間が短いこともあり、引き継ぎと言えるほどの業務が積み上がっていないケースも多いはずです。それでも、任されていた作業の状況や進行中のやり取りをメモにまとめておくだけで、周囲への負担は変わってきます。
次の選択肢として転職を考えている場合、今の自分の状況で何を優先すべきか整理したい人は、転職すべきかどうかを整理できる無料診断を一度試してみるのもひとつの方法です。
・試用期間が終わるタイミングまで、と区切る
・「あと1ヶ月」など自分で決めた期間で一度振り返る
・その期間の中で何が変われば続けられそうか、具体的に書き出しておく
悩める会社員
短期離職への不安とどう向き合うか
試用期間中や入社から間もないタイミングでの退職は、次の転職活動で経歴としてどう見られるか、という不安につながりやすいものです。この不安自体は自然なもので、無視する必要はありません。
ただし、悲観しすぎる必要も、逆に「気にしなくて大丈夫」と楽観しすぎる必要もないと僕は考えています。短期離職の経歴があっても、なぜそう判断したのかを自分の言葉で整理して説明できれば、面接での伝え方次第で印象は変わってくると言われています。逆に、理由をあいまいにしたまま次の面接に臨んでしまうと、聞かれるたびに答えがぶれてしまい、かえって不安が大きくなることもあります。
僕自身、新卒で入った1社目を1年で退職し、第二新卒としてベンチャーのIT企業に転職した経験があります。当時は「1年で辞めた自分」に対する不安がなかったわけではありませんが、辞めた理由と、その後どう考えて動いたかを整理して伝えることを意識していました。短期離職の経歴そのものよりも、そこからどう次につなげるかのほうが、振り返ってみると重要だったように感じています。
採用する側も、短期離職があるという理由だけで一律に判断しているわけではなく、辞めた背景や、そこからどんな行動につなげているかを見ていることが多いと言われています。経歴を隠したり必要以上に取り繕ったりするより、事実と自分なりの考えを整理しておくほうが、結果的に自分の気持ちも安定しやすくなります。
不安を完全になくしてから動こうとすると、いつまでも一歩を踏み出せなくなってしまうこともあります。不安を抱えたままでも、今わかっている事実と自分の考えを一つずつ整理していくことで、少しずつ判断の材料は増えていきます。焦って結論を急ぐ必要はありませんが、立ち止まったままにしておく必要もないというのが、僕自身の実感です。
なお、この記事は一般的な情報の整理を目的としたものであり、個別の事情によって法的な扱いが変わる可能性があります。判断に迷う場合は、専門家や公的な相談窓口に確認しておくと安心です。
どらすた
また、実際に短い期間で離職した場合にその後どうなるのかは、短期離職のその後はどうなる?|現実と挽回の道筋で詳しく書いています。
今の状況を整理したい方へ
あなたは今、転職すべき?キャリア診断
8つの質問に答えると、いまのあなたが「土台づくり期」「助走期」「跳躍準備期」「環境見直し期」のどれに近いかがわかります。結果に応じて、次に読むとよい記事もご案内します。登録は不要です。
診断をはじめる(無料・8問)
どらすたブログ 
