今回はビジネス用語「チャネル」の意味をわかりやすく解説していきます。
目次
チャネルとは?意味をわかりやすく解説

チャネルとは、商品や情報、メッセージを相手に届けるための経路や手段のことです。販売の場面でも、情報発信の場面でも使われる言葉です。
もともとは英語のchannel(水路、経路)に由来する言葉で、水が流れる道筋を指していました。そこから転じて、ビジネスの世界では「モノや情報が流れる道筋」という意味で使われるようになっています。
たとえば、商品を売る場面であれば「どの店で、どうやって売るか」を指しますし、情報発信の場面であれば「どの媒体を使って伝えるか」を指します。同じ「チャネル」という言葉でも、使われる文脈によって具体的な中身が変わる点には注意が必要です。
会議や資料の中で「チャネル」という言葉が出てきたときは、まず「販売の話をしているのか、情報発信の話をしているのか」を確認すると、話の内容がつかみやすくなります。同じ単語でも前提が違うまま話が進んでしまうと、後から認識のずれに気づくこともあるため、最初に文脈をそろえておくことが理解の近道になります。
語源:channel、水路という原義から
チャネル(channel)は、もとはラテン語のcanalis(管、水路)を語源とする英単語です。英語では、川や海の「水路」「海峡」を指す言葉として使われてきました。水が一定の道筋を通って流れていくイメージです。
このイメージがビジネス用語に転用され、「モノ・情報・お金が流れていく道筋」を指す言葉として定着しました。水路が水を目的地まで運ぶように、ビジネスのチャネルは商品や情報を顧客のもとまで運ぶ役割を持っています。どの経路を選ぶかによって、届く相手やスピード、コストが変わってくるため、チャネルの選び方はビジネスの成果に直結します。
分野別の意味
チャネルという言葉は、使われる分野によって指す内容が異なります。ここでは代表的な4つの使われ方を、具体例とあわせて見ていきます。
販売チャネル
販売チャネルとは、商品やサービスを顧客に販売するための経路のことです。実店舗での対面販売、通販サイトでのオンライン販売、代理店を通じた販売など、さまざまな形があります。
たとえば、これまで実店舗だけで商品を販売していた企業が、自社の通販サイトを新たに開設したとします。この場合、「販売チャネルを増やした」という言い方になります。実店舗、通販サイト、フリマアプリ、卸売業者経由の販売など、それぞれ届く相手や購入のハードルが異なるため、どのチャネルを選ぶかはマーケティング戦略全体に関わる判断になります。
また、同じ販売チャネルであっても、店頭での品揃えや陳列の工夫によって売れ方は変わってきます。棚のどこに商品を並べるか、どの商品を目立たせるかといったマーチャンダイジングの視点を組み合わせることで、一つの販売チャネルの中でも成果を伸ばす余地が生まれます。
流通チャネル
流通チャネルとは、商品がメーカーから消費者の手元に届くまでの流れ全体を指す言葉です。メーカーから卸売業者、小売店を経て消費者に届く流れや、メーカーが直接消費者に届ける流れなど、いくつかのパターンがあります。
間に業者を挟む段階が多いほど流通チャネルは長くなり、逆にメーカーが直接消費者に販売する場合は流通チャネルが短くなります。近年は、メーカーが直接消費者に販売する形も増えており、流通チャネルをどう設計するかは、価格設定や届くまでのスピードにも影響します。
たとえば、卸売業者や小売店を経由する流通チャネルでは、それぞれの段階で利益を確保する必要があるため、消費者に届くまでの価格が上がりやすくなります。一方で、メーカーが自社の通販サイトから直接届ける流通チャネルであれば、間の段階を減らせる分、価格や納期の面で工夫しやすくなる場合があります。どちらが優れているというよりも、扱う商品の特性や届けたい相手に合わせて選ぶことが大切です。
コミュニケーションチャネル
コミュニケーションチャネルとは、企業が顧客や取引先に情報を届けるための手段のことです。テレビCM、雑誌広告、SNS、メールマガジン、店頭でのチラシなど、伝える手段そのものを指します。
同じ情報を伝えるにしても、どのターゲットにどのコミュニケーションチャネルを使うかによって、届く範囲も伝わり方も変わってきます。若い世代に向けてはSNS、幅広い年齢層に向けてはテレビCMというように、相手に合わせてチャネルを選ぶ考え方が一般的です。
一つのコミュニケーションチャネルだけに頼ると、そのチャネルを使っていない相手には情報が届きません。SNSとメールマガジン、店頭でのチラシなど、性質の異なるチャネルを組み合わせておくことで、伝えたい相手に届く経路を複数確保できます。
チャットツールのチャンネル
もう一つ、日常的によく見かけるのがチャットツールの「チャンネル」です。SlackやDiscordなどのツールでは、話題やプロジェクトごとにやり取りする場所を分けており、この一つひとつを「チャンネル」と呼びます。
この使われ方も、語源をたどれば同じ発想です。情報という「モノ」が流れる道筋を、話題ごとに分けているという点で、ビジネスの「チャネル」と発想は共通しています。ただし表記としては「チャンネル」と書かれることが多く、ビジネス用語の「チャネル」とは書き分けられる場面が多い点は知っておくとよいでしょう。
たとえば、部署ごと、プロジェクトごと、あるいは雑談用というように用途を分けてチャンネルを作っておくと、あとから過去のやり取りを探すときにも見つけやすくなります。話題が入り混じったまま一つの場所でやり取りを続けるよりも、目的に応じてチャンネルを分けておくほうが、情報が流れる道筋としては整理された状態を保ちやすくなります。
ビジネスでの使い方
実際のビジネスの場面では、チャネルという言葉はいくつかの言い回しで使われます。代表的なものを見ていきます。
「チャネルを増やす」という言い回しは、販売経路や情報発信の手段を新たに追加することを指します。実店舗のみで販売していた企業が通販サイトを始めたり、テレビCMだけだった宣伝にSNSを加えたりするような場面で使われます。チャネルを増やすことで、これまで届いていなかった相手に商品や情報が届く可能性が広がります。
「オムニチャネル」という言葉も、近年よく使われるようになりました。これは、実店舗・通販サイト・SNSなど複数のチャネルを別々に運用するのではなく、一体のものとして連携させる考え方です。たとえば、店舗で在庫がない商品を通販サイトから取り寄せられるようにしたり、店舗とオンラインで会員情報やポイントを共有したりする仕組みが、オムニチャネルの代表例です。
このほか、「チャネル戦略」「チャネル政策」といった言い方で、どの経路を使って商品や情報を届けるかという方針全体を指すこともあります。コンバージョンを高めたい場面では、チャネルごとの特徴を踏まえたうえで、どこに力を入れるかを検討することが多くなります。
また、「チャネルミックス」という言い方で、複数のチャネルの組み合わせ方そのものを指すこともあります。どのチャネルにどれだけ力を配分するかという比率の話をするときに使われる言い回しで、オムニチャネルが「チャネルをつなげる」考え方であるのに対し、チャネルミックスは「チャネルの組み合わせ方を決める」考え方に近い言葉です。
チャネルを考えるときの視点
チャネルについて考えるときは、いくつかの視点を持っておくと整理しやすくなります。
一つ目は、届けたい相手がどこにいるかから逆算するという視点です。どれだけ多くのチャネルを持っていても、届けたい相手がそこにいなければ意味がありません。まずは自社の商品やサービスを届けたい相手が、普段どこで情報を得て、どこで買い物をしているのかを把握したうえで、使うチャネルを選ぶことが基本になります。この順番を踏まえたストラテジーの設計が、チャネル選びの土台になります。
二つ目は、チャネルは増やせばいいというものではないという視点です。チャネルを増やすと、それぞれの運用や管理にかかる手間やコストも増えていきます。担当者が手薄なまま新しいチャネルを増やしてしまうと、どのチャネルも中途半端な運用になってしまうこともあります。今あるチャネルをどこまで活用できているかを見直したうえで、必要な範囲でチャネルを増やす判断が求められます。
三つ目は、チャネルごとの役割を分けて考えるという視点です。すべてのチャネルに同じ役割を持たせるのではなく、認知を広げる役割のチャネル、購入につなげる役割のチャネル、購入後のフォローを担うチャネルというように、役割を分けて設計すると、チャネル全体の効果を把握しやすくなります。
四つ目は、それぞれのチャネルの成果を定期的に振り返るという視点です。開設した当初は有効だったチャネルでも、時間が経つにつれて相手の行動が変わり、効果が薄れていくことがあります。どのチャネルからどれくらいの反応があったかを定点で見直し、力の入れどころを調整していく姿勢が、チャネルを長く活用していくうえでの支えになります。
会話例文
チャネルという言葉が実際の会話でどう使われるか、いくつかの例文で見ていきます。
類語との違い
チャネルと似た意味で使われる言葉との違いを整理しておきます。
「ルート」は、モノや情報が通る道筋という意味ではチャネルに近い言葉ですが、どちらかというと物流や移動の経路そのものを指すことが多い言葉です。チャネルは、経路そのものに加えて、経路を通じたやり取りの仕組み全体を指す場面で使われる傾向があります。
「媒体」は、情報を伝える手段そのものを指す言葉です。テレビ、新聞、雑誌、Webサイトなど、情報を載せて運ぶ入れ物のイメージに近く、コミュニケーションチャネルとほぼ同じ意味で使われることもあります。
「メディア」も媒体とほぼ同じ意味で使われますが、テレビや新聞といったマスメディアを指す場面で使われることが多い言葉です。チャネルは、メディアよりも広い範囲、たとえば店舗や営業担当者といった人を介した経路も含めて指す点が異なります。
「タッチポイント」は、企業とコンシューマーが接する接点のことです。広告を見た瞬間、店頭で商品を手に取った瞬間、購入後の問い合わせ対応など、接点そのものを指す言葉で、チャネルよりも一つひとつの場面に近い単位で使われます。チャネルが経路や仕組みを指すのに対して、タッチポイントは経路の中で実際に接する場面を指すというイメージで捉えると整理しやすくなります。
関連用語
チャネルと合わせて理解しておきたい用語をまとめました。
ほかのビジネス用語はビジネス用語集一覧から探せます。
まとめ
チャネルとは、商品や情報を相手に届けるための経路や手段のことです。販売チャネル、流通チャネル、コミュニケーションチャネル、チャットツールのチャンネルなど、使われる分野によって具体的な中身は変わりますが、根底にあるのは「モノや情報が流れる道筋」という考え方です。
チャネルを考えるときは、届けたい相手がどこにいるかから逆算し、増やすこと自体を目的にしないという視点を持つことが大切です。それぞれのチャネルの役割を整理しながら活用していくことで、届けたい相手に情報や商品を届けやすくなります。
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