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レッドオーシャンとは?意味をわかりやすく解説

レッドオーシャンとは、競合が多く価格競争や機能競争が激しくなった、飽和状態の既存市場を指すビジネス用語です。
同じ顧客層をめぐって多くの企業がしのぎを削っている業界を思い浮かべると、イメージがつかみやすいはずです。参入企業が増えるほど商品やサービスの違いが見えにくくなり、価格や販促の勝負に持ち込まれやすいという特徴があります。すでに市場のルールや業界構造がある程度固まっているため、新規参入のハードルが低い一方で、生き残るための工夫が求められる市場ともいえます。
飲食や小売、日用品のように生活に身近な業界の多くは、参入企業が多くレッドオーシャンの色合いが強いといわれます。一方で、専門性の高いBtoB領域や新しい技術を扱う分野では、まだ競合が少なくレッドオーシャンとは言いにくい市場も存在します。自社の事業がどちらの状態に近いのかを見極めることが、戦略を考える最初の一歩になります。
社内会議や事業計画の場では「この市場はレッドオーシャンだから慎重に検討したい」「レッドオーシャン化が進んでいるので差別化を急ぎたい」といった形で使われることが多く、市場の競争環境をひと言で共有するための共通言語として重宝されています。担当者ごとに市場の見方がずれていると議論がかみ合わなくなるため、レッドオーシャンかどうかを最初に確認しておくと、そのあとの戦略の話し合いがスムーズに進みやすくなります。
語源
レッドオーシャンは英語の「red ocean」に由来する言葉です。競合同士が限られたパイを奪い合い、血で赤く染まった海のように激しい争いが繰り広げられている、というイメージから名付けられました。競争戦略の議論の中で、対になる「ブルーオーシャン」という言葉とセットで広まり、市場の競争状態を色にたとえて表現する言い回しとして定着しています。日本のビジネスシーンでも、新規事業の企画や商品戦略を検討する際の共通言語として、業種を問わず幅広く使われている表現です。
ブルーオーシャンとの違い
レッドオーシャンとセットで語られることが多いのが「ブルーオーシャン」という言葉です。レッドオーシャンが競合の多い既存市場を指すのに対し、ブルーオーシャンは競合がほとんど存在しない未開拓の市場を切り拓く考え方を指します。どちらも市場の状態を色で表現した対になる概念で、片方が「今ある市場でどう戦うか」、もう片方が「新しい市場をどう見つけるか」に焦点を当てている点が大きな違いです。
両者はリスクとリターンの傾向も異なります。レッドオーシャンは需要や競合の動きがある程度見えているぶん、事業計画を立てやすく検証のスピードも上げやすい市場です。対してブルーオーシャンは需要そのものが未知数であるため、当たれば大きなリターンが見込める一方、見立てが外れるリスクも抱えています。両者は優劣の関係ではなく、自社の状況やフェーズに応じて使い分けるべき視点として捉えておくとよいでしょう。すでに事業基盤があり、まずは足元の市場で成果を積み上げたい企業はレッドオーシャンでの戦い方を、新しい柱をゼロから探したい企業はブルーオーシャンの探し方を、それぞれ重点的に検討するとよい整理になります。
レッドオーシャンの特徴
レッドオーシャンと呼ばれる市場には、いくつか共通した特徴があります。事業を検討している市場が次のような状態に当てはまるかどうかを確認しておくと、レッドオーシャンかどうかの見極めがしやすくなります。
価格競争になりやすい
商品やサービスの機能面で差がつきにくくなると、企業は値下げやキャンペーンで顧客を奪い合う傾向が強くなります。短期的な売上は確保できても、利益率が下がり続けるリスクがある点には注意が必要です。値下げ合戦が一度始まると、業界全体の収益構造が崩れ、後から抜け出しにくくなるという性質もあります。
差別化しにくい
市場が成熟するほど、競合各社の商品やサービスは似通っていきます。マーケティングで打ち出すメッセージも似たものになりやすく、顧客からは違いが分かりにくい状況が生まれがちです。結果として、顧客が商品を選ぶ基準が価格や知名度に偏りやすくなります。
シェアの奪い合いになる
市場全体のパイが大きく増えない中で複数の企業が事業を続けるため、新規顧客の獲得よりも既存顧客の奪い合いに力が注がれやすくなります。営業や広告のコストがかさみやすいのも、この特徴に起因しています。
これら三つの特徴は互いに絡み合っており、差別化がしにくいから価格で勝負し、価格で勝負するからシェアの奪い合いが激化する、という悪循環に陥りやすい点がレッドオーシャンの厄介なところです。この悪循環に一度入ってしまうと、値下げをやめたとたんに顧客が離れてしまう、といった状況に陥ることもあり、抜け出すには価格以外の軸を用意しておく必要があります。だからこそ、次の章で紹介する戦い方の視点が重要になってきます。
レッドオーシャンでどう戦うか
レッドオーシャンという言葉には「競争が激しいから避けたほうがよい市場」というイメージがつきまといますが、避けるべき市場とは限らない、というのが実務上の見方です。市場規模がある程度見えている分、需要そのものが不確かな未開拓市場に比べて事業計画を立てやすいという利点もあります。すでに顧客が存在し、購買行動のデータや競合の動きも観察しやすいため、仮説を立てて検証するサイクルを回しやすい環境ともいえます。ここでは、レッドオーシャンの中で戦うための代表的な視点を紹介します。
特定領域に絞る
市場全体で戦うのではなく、特定の顧客層や用途、地域などにターゲットを絞り込むことで、大手が手薄になっている隙間を狙う戦い方です。業界全体を相手にするのではなく、業種特化・用途特化・地域特化といった切り口で範囲を狭めることで、限られたリソースを集中投下できるようになります。市場そのものは競争が激しくても、絞り込んだ領域の中では相対的に優位に立てる場合があります。自社の強みが生きる範囲を見極めることが出発点になり、絞り込んだ範囲で実績を積んでから徐々に対象を広げていく、という段階的な進め方も選択肢の一つです。
オペレーションで差をつける
商品力だけで差別化するのが難しい市場では、納期やサポート体制、業務プロセスの質といった運営面の丁寧さが選ばれる理由になることがあります。在庫管理のスピード、問い合わせへの対応時間、社内フローの効率化など、顧客からは見えにくい部分の積み重ねが結果として体感できる違いにつながります。競合のベンチマークを行い、自社のオペレーションのどこに改善余地があるかを継続的に見直す姿勢が求められます。
顧客体験で選ばれる
価格や機能で並んでしまう市場だからこそ、購入前後の体験や問い合わせ対応、使い続けやすさといった部分が選ばれる決め手になることがあります。購入前の情報提供の丁寧さ、購入後のフォローアップ、利用者同士のコミュニティづくりなど、体験全体を設計する視点が重要です。どのチャネルで顧客と接点を持ち、どのような体験を提供するかを含めて設計することが、競争の中で存在感を保つための土台になります。
独自の付加価値を明確にする
価格以外で選ばれる理由をはっきりさせることも、レッドオーシャンで戦ううえで欠かせない視点です。機能そのものではなく、使いこなすためのサポートや、世界観、ブランドへの共感といった付加価値を明確に言語化できれば、価格だけで比較されにくくなります。競合と同じ土俵で機能を競うのではなく、自社ならではの価値の切り口を見つける作業ともいえます。社内で「なぜ自社が選ばれているのか」を改めて言葉にしてみると、意外と価格以外の理由が見えてくることも少なくありません。
こうした打ち手は単発の施策ではなく、事業全体のストラテジーとして一貫性を持たせることが重要です。価格競争に巻き込まれる前提で戦うのか、絞り込みや体験価値で差をつける前提で戦うのかによって、投資すべき領域や優先順位は大きく変わってきます。四つの視点を単独で使うのではなく、自社の強みに合わせて組み合わせながら、レッドオーシャンの中での立ち位置を継続的に見直していく姿勢が求められます。
会話例文
類語との違い
レッドオーシャンと混同されやすい言葉として、次のようなものがあります。それぞれレッドオーシャンと近い場面で使われますが、指している対象のレイヤーが異なるため、整理しておくと言葉の使い分けがしやすくなります。
価格競争
価格競争は、企業同士が値下げによって顧客を奪い合う現象そのものを指す言葉です。レッドオーシャンという市場環境の中で起こりやすい現象の一つであり、市場の状態を表すレッドオーシャンとは意味の階層が異なります。レッドオーシャンが「場」を表すのに対し、価格競争はその場で実際に起きている「出来事」を表す言葉と捉えると整理しやすくなります。
コモディティ化
コモディティ化は、商品やサービスの品質や機能に大きな差がなくなり、どれを選んでも大差ない状態になることを指します。レッドオーシャンの市場でコモディティ化が進むと、価格競争がいっそう激しくなる、という関係にあります。コモディティ化は市場の中で商品同士がどう見られているかという「状態」を表す言葉であり、市場全体の競争環境を表すレッドオーシャンとは焦点が異なります。
飽和市場
飽和市場は、需要に対して供給や競合が多く、これ以上市場規模が伸びにくくなった状態を指す言葉です。レッドオーシャンとほぼ同じ意味で使われることもありますが、レッドオーシャンは競争の激しさに、飽和市場は市場の伸びしろの乏しさに、それぞれ視点の重心が置かれています。市場が飽和していても競争がそれほど激しくないケースもあり、両者は重なりつつも完全に同じ概念ではない点に注意が必要です。
関連用語
あわせて確認しておくと、レッドオーシャンの理解がより深まる用語をまとめました。
ほかのビジネス用語はビジネス用語集一覧から探せます。
まとめ
レッドオーシャンとは、競合が多く価格競争や差別化の難しさが目立つ、飽和状態の既存市場を指すビジネス用語です。血で赤く染まった海という語源が示す通り、参入企業同士の競争が激しくなりやすい市場を表しています。ブルーオーシャンとは対になる概念として語られますが、避けるべき市場とは限らず、ターゲットの絞り込みやオペレーションの改善、顧客体験の積み重ね、独自の付加価値づくりによって戦える余地は十分に残されています。
価格競争やコモディティ化、飽和市場といった類語との違いを押さえておくと、自社が置かれている状況をより具体的に言語化できるようになります。競争が激しい市場だからとすぐに撤退を考えるのではなく、特定領域への絞り込みやオペレーションの磨き込み、顧客体験の設計、独自の付加価値づくりといった手段を一つずつ検討してみることが、レッドオーシャンの中で足場を築く近道になります。自社が今どちらの市場で戦っているのかを整理し、状況に合わせた戦い方を選ぶことが、レッドオーシャンと向き合ううえでの出発点になります。
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