転職先で怒られてばかりの人へ|中途入社1年目に起きることと立て直し方

転職先で怒られてばかりの人へ 中途入社1年目に起きることと立て直し方

悩める会社員

転職して半年になります。前の会社では普通に仕事ができていたのに、今の会社では毎日のように何か言われます。「中途なんだから分かるでしょ」という空気も感じて、報告に行くだけで身構えてしまいます。自分が前より使えなくなったのか、職場が厳しいだけなのか、もう分かりません。

どらすた

毎日注意され続けると、仕事そのものより「また何か言われる」という予感のほうがしんどくなりますよね。中途入社の人が怒られやすくなるのには、本人の力とは別の構造があります。今日は、その構造、自分の問題と環境の問題の切り分け方、怒られた直後の受け答え、上司との期待値のすり合わせ方、行き過ぎのサインと相談先、そして辞めるかどうかを考える順番まで、順番に整理していきます。

この記事では、中途入社で怒られやすくなる理由と、怒られたあとの受け止め方、上司との期待値のすり合わせ、指導と行き過ぎの線引きを扱います。個々のミスの防ぎ方や、ミスをしたあとの具体的な立て直し手順は扱いません。そこは転職後にミスが続くときの立て直し方で詳しく書いているので、必要になったらそちらを読んでください。以下に出てくる会話や状況は、説明のための例です。自分の職場の状況に置き換えて読んでください。

中途入社だと、なぜ怒られやすくなるのか

新卒の人は、できなくて当たり前という前提で迎えられます。中途入社は、その前提が外れた状態で始まることが多いです。怒られやすさの背景には、次のような構造があります。

  • 即戦力という期待が先に立っていて、教える時間や手順が最初から用意されていない。
  • 職場ごとの暗黙のルールが多く、誰も「ルール」と思っていないので、説明されないまま守る前提になっている。
  • 前職のやり方を持ち込むと、悪気がなくても摩擦になる。前の会社で正しかった進め方が、ここでは違うことがある。
  • 周囲に中途入社を受け入れた経験が少なく、どこまで説明すればいいのか分かっていない。
  • 上司の指導スタイルが、すぐ言葉で正す型だったり、見て覚えさせる型だったりして、本人との相性が合っていない。

ここで大事なのは、これらが「あなたの能力」とは別の話だということです。仕事の腕が同じでも、期待値と説明の量が合っていなければ、注意は増えます。逆に言えば、期待値や説明の量は、あとから調整できる余地があります。

前職で普通だったことが、ここでは普通ではない

たとえば、前の会社では「できたら先に共有する」が普通だったのに、今の会社では「着手前に一言ほしい」が当たり前だった、というような違いです。どちらが正しいわけでもなく、ただ違うだけです。ただ、相手から見ると「中途なのに基本が抜けている」と映りやすく、それが叱責につながります。本人は前職で身につけた丁寧さのつもりなので、なぜ怒られたのか分かりにくく、混乱が長引きます。

悩める会社員

でも、中途で入ったのだから、自分で気づいて合わせるべきだとも思ってしまいます。

どらすた

合わせる努力は大切です。ただ、誰も説明していないルールに、一人で気づき続けるのは相当な負担です。合わせる努力と、自分を責めることは、分けて考えて大丈夫です。

「自分が悪い」と「環境の問題」を切り分ける

注意を受け続けていると、すべてが自分のせいに見えてきます。そんなときは、一度立ち止まって、何に対して怒られているのかを分けて眺めてみましょう。次の項目は、切り分けのための目安です。当てはまる数で白黒をつけるものではなく、どこに偏りがあるかを見るために使ってください。

切り分けのチェック項目
  • 同じ内容で、同じ人から何度も注意されていないか(改善の余地が自分側にある可能性)
  • 注意された内容が、入社前に聞いていた業務や、これまでに教わった範囲に含まれていたか
  • 注意の理由が、その場で言葉にして説明されているか。それとも「普通は分かるでしょ」で終わっているか
  • ほかの人が同じことをしても、同じように注意されているか
  • 注意のあとに、どうすればよかったかが示されているか
  • 注意の内容が仕事の中身に向いているか。それとも人柄や性格に向いているか

仕事の中身に対する注意で、説明があり、直し方も示されているなら、それは指導です。不快でも、改善に使える材料が含まれています。一方、説明がなく、どうすればよかったかも示されず、人柄への言及が混ざる場合は、環境側の問題が大きい可能性があります。実際には両方が混ざっていることがほとんどなので、「自分が全部悪い」でも「職場が全部悪い」でもなく、割合を見るつもりで整理するのが現実的です。

怒られた直後の受け答えと、後からの確認の仕方

怒られている最中は、頭が真っ白になりやすく、うまく話せなくて当然です。その場でやることは、実はそれほど多くありません。聞く、受け止める、必要なら一点だけ確認する、の三つで十分です。言い訳や説明はいったん後回しにして構いません。そして、気持ちが落ち着いてから、改めて確認します。

怒られた直後と、後からの確認の言い方の例

その場で:
「はい、承知しました。〇〇の点ですね」
「申し訳ありません。次からは〇〇の形で進めればよろしいでしょうか」

少し時間をおいてから:
「先ほどご指摘いただいた件で、念のため確認させてください。今後は〇〇という進め方で合っていますか」
「これまでの会社では〇〇という流れでしたが、こちらでは違うのだと理解しました。ほかにも、こちら特有の決まりがあれば教えていただけますか」

後からの確認は、謝り直すためではなく、次に同じことが起きないよう「正解」を言葉にしてもらうために行います。ポイントは、責められた内容を、ルールとして残すことです。「次からこうすればいい」が一つ言葉になるたびに、暗黙のルールが一つ減ります。例文はそのまま使わず、自分の職場の言葉遣いに合わせて調整してください。

なお、ミスを報告するのが怖くなっている場合は、ミスを伝えるときの言い方に関する記事も参考になります。

上司と期待値をすり合わせる面談の切り出し方

注意が続くとき、いちばん効果が出やすいのは、個別の注意への対処ではなく、期待値そのものを確認することです。上司は「中途だからこのくらいはできるはず」と思っていて、本人は「まだ慣れていない部分がある」と思っている。このずれが、日々の注意の根にあることが少なくありません。短い面談を一度お願いして、ずれを言葉にしてみましょう。

期待値をすり合わせる面談の切り出し方の例

切り出し:
「お忙しいところすみません。入社してしばらく経ったので、15分ほど、今の進め方についてご意見をうかがえないでしょうか」

確認すること:
「現時点で、私に特に期待されていることは何でしょうか」
「今の私の仕事ぶりで、直したほうがいい点を優先順に教えていただけますか」
「半年後までに、どの状態になっていれば安心していただけますか」

締めくくり:
「今日うかがったことを踏まえて、来週からこう進めてみます。ずれていたら教えてください」

ここで大事なのは、不満をぶつける場にしないことです。「怒られてばかりでつらい」と伝えるより、「何を優先して直せばよいか」を聞くほうが、相手も答えやすくなります。優先順位が見えるだけでも、注意の山に埋もれていた感覚が軽くなることがあります。上司との相性や付き合い方そのものに悩んでいる場合は、合わない上司との付き合い方に関する記事もあわせて読んでみてください。

悩める会社員

面談をお願いすること自体が、また怒られるきっかけになりそうで怖いです。

どらすた

怖いですよね。まずは短い時間で、前向きな確認として頼んでみてください。それでも難しいときは、チャットやメールで「優先して直すべき点があれば教えてください」と書面で聞く方法もあります。

前職との比較を手放し、引きずらない区切りをつくる

転職したばかりの時期は、どうしても前の会社と比べてしまいます。「前はこんなに言われなかった」「前は評価されていた」という気持ちは自然なものです。ただ、比較を続けると、今の職場で足りないものばかりが目に入り、気持ちが消耗していきます。

前職での経験は、なくなったわけではありません。ただ、その経験が通用する範囲と、新しく覚え直す範囲が、今の職場では違うだけです。「前職の自分」と「今の自分」を競わせるのをやめて、「この職場のやり方を覚えている途中の自分」という位置づけに置き換えてみると、少し楽になります。

怒られたことを、その日のうちに区切る

怒られたことを家まで持ち帰ると、夜も休めなくなります。区切りをつくるには、次のようなやり方があります。

  • 言われた内容を、感情を抜いて事実だけ手帳やメモに一行で書く。たとえば「提出前に一言ほしい」だけにする。
  • 「次からこうする」を一つだけ決めて、同じメモに書く。
  • 書いたら、そのことは今日は考えない時間にする。帰り道に音楽を聴く、風呂に入るなど、切り替える行動を決めておく。
  • 週に一度、メモを見返して「もう言われなくなったこと」を探す。増えていれば、確かに前に進んでいます。

気持ちの切り替えには時間がかかります。できない日があっても、自分を責める必要はありません。

指導の範囲を超えているときのサインと、相談先

厳しい指導と、行き過ぎた叱責は、別のものです。ここまでは注意を受け止める話をしてきましたが、次のような状態が続くなら、自分の受け止め方を工夫する段階ではありません。

  • 仕事の内容ではなく、人格や性格、容姿、出身などを否定する言葉を浴びせられる。
  • ほかの人の前で、長い時間にわたって繰り返し叱責される。
  • 業務と関係のないことで攻撃される、または無視される。
  • 達成できない量の仕事や、意図的に必要な情報を渡されない状況が続く。
  • 出社前に動悸がする、眠れないなど、体調や気持ちに明らかな影響が出ている。

このブログでは、こうした状況がパワーハラスメントにあたるかどうかの法的な判断はできません。判断が難しいからこそ、一人で抱えず、まず記録を取り、相談してください。社内に人事や相談窓口があれば、そこに状況を伝える方法があります。社内に相談しにくいときは、外部の窓口として厚生労働省の総合労働相談コーナーがあります。無料で相談でき、会社を通さずに利用できます。体調に不安があるときは、医療機関に相談することも選択肢です。

詰められてつらい場面での切り抜け方は、詰められたときの対処に関する記事でも整理しています。

辞めるかどうかを考える順番

怒られ続けると、「もう辞めたい」と思うのは自然です。ただ、気持ちが限界に近いときほど、決断を急がないほうが後悔しにくくなります。次の順番で考えてみてください。

  • すぐに決めない。今日の気持ちだけで結論を出さず、少なくとも数週間は様子を見る期間をつくる。
  • 記録を取る。いつ、誰に、何を言われたかを、事実だけメモに残す。後で相談するときの材料になります。
  • 期待値のすり合わせをする。前の章の面談で、状況が変わるかを試す。
  • 社内外で相談する。信頼できる人、人事、外部窓口など、複数の目で状況を見てもらう。
  • 選択肢を並べる。続ける、異動や配置の相談をする、転職する。この三つを並列に置いて比べる。

入社して間もない時期で、辞めたい気持ちが強いときは、試用期間中に辞めたいと感じたときの考え方が参考になります。また、誰に相談するかで迷うときは、転職の相談相手の選び方に関する記事を読んでみてください。続けるか動くかの整理がつかないときは、転職すべきか迷うときの診断を試してみるのも一つの方法です。

辞めることも、続けることも、環境を変えることも、どれも逃げではありません。大事なのは、記録と相談を経たうえで、自分で選んだと言える状態にしておくことです。

悩める会社員

まず何から始めればいいでしょうか。

どらすた

今日できることは小さくて大丈夫です。言われたことを事実だけメモに一行書く。それだけでも、立て直しの最初の一歩になります。

状況に応じて、次に読む記事

今の状況に近いものがあれば、あわせて読んでみてください。

どらすた

中途入社で怒られやすいのは、あなたの力不足というより、期待と説明のずれや、職場の暗黙のルールが重なっていることが多くあります。怒られた内容は事実だけ記録して、期待値は上司と言葉にして確認してください。行き過ぎだと感じたときは、一人で抱えずに相談先を使ってくださいね。

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